KDDIとKDDI研究所は29日、移動通信・放送を融合した通信サービスを提供するプラットフォーム『ケータイ×TV連携、FMBCスマートプラットフォーム』を開発したと発表した。

FMBCは、「Fixed Mobile&Broadcasting Convergence」の略で、「固定通信(Fixed)」「移動通信(Mobile)」「放送」を融合した通信サービスを指す。今回、KDDIとKDDI研究所が開発した「ケータイ×TV連携、FMBCスマートプラットフォーム」は、携帯電話やテレビを通じて、大量のコンテンツや情報に素早くアクセスすることを可能にし、「より高度で便利なコンテンツ視聴方法を実現する新しいサービス提供プラットフォーム」(KDDIとKDDI研究所)となっている。

従来、地上波放送はテレビ番組表から、VOD(ビデオ・オン・デマンド)はコンテンツリストから、インターネットビデオは携帯電話やPCでインターネットからそれぞれコンテンツや情報を検索しアクセスする必要があったが、同プラットフォームでは、「メディア横断おすすめ視聴」「テレビダイジェスト視聴」「ファミリーコンテンツおすすめ視聴」「ケータイ・TV連携ニュース視聴」の各機能を導入。これにより、「見たいコンテンツを、地上波放送・VOD・インターネットなどのソースを問わず、直感的に選択することが可能となる」(両社)。

メディア横断おすすめ視聴は、個人の嗜好に基づき、おすすめコンテンツを自動提示したり、放送番組を自動録画したりする。おすすめ対象となるコンテンツは、地上波放送番組・VOD・インターネットビデオなど、その情報ソースを問わず横断的に扱うことが可能となっている。おすすめコンテンツの提示は、「映像コンテンツ中の『重要シーン自動検出技術』により、サムネイル形式で携帯電話とテレビに対して行う」(同)。

テレビダイジェスト視聴は、新形式の「要約コンテンツ生成技術」により、空き時間にニュースやドラマの番組内容を"紙芝居風に"短時間で確認することができる。また、字幕も同時に表示されるため、音声を出せない環境でも閲覧できる。

ファミリーコンテンツおすすめ視聴は、「グループレコメンド技術」と「番組関連情報検索・提示技術」の両技術により、家族の好みを自動的に集約して、リビングルームで視聴中の家族に最適なコンテンツ情報を提供する。さらに、個人の携帯電話には、一人ひとりの好みに合わせた番組関連情報が提示される。

ケータイ・TV連携ニュース視聴は、携帯電話で閲覧したニューステキストに該当する映像シーンを、家庭の録画機に記録されているニュースや情報番組から自動で抜き出し、テレビ上で再生する。「帰宅途中、電車の中でチェックしたニューステキスト・トピックの気になるシーン(動画)を、帰宅後にテレビ上で観る」ことなどができる。

今回発表された「ケータイ×TV連携、FMBCスマートプラットフォーム」は、10月6日~10日に千葉県千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2009」のKDDIブースで紹介される予定となっている。