最後にグラフ7、消費電力比較。TDP45WのAthlon II X4 605eおよびX2 240eは、ピーク時で100W強、アイドル時で75W前後となった。特にピーク時はTDP95WのAthlon II X4と比べ40W近い消費電力削減ができている。Athlon II X4 605eではクロックの引き下げと最少コア電圧の低さ、Athlon II X2 240eではトランジスタ数の削減と最少コア電圧の低さ、それらがこの結果を示しているのだろう。

AM3プラットフォームにおけるAthlon X2 BE!?

これまで、AM3プラットフォームでは、一番消費電力が低いものでもTDPは65Wまでであった。TDP45WのAthlon II X4 605eおよびAthlon II X2 240e/235eの登場で、AM3プラットフォームを用いた省電力/省スペースPCは、より安心して自作できるようになったと言えるだろう。とくにAthlon II X4 605eは、TDP45WでありながらクアッドコアCPUであり、マルチスレッドに最適化されたアプリケーションを用いるのであれば、パフォーマンスアップに繋がることだろう。PCの電力あたり/容積あたりのパフォーマンスを上げるには、これらCPUは注目である。

なお、Athlon II X4 605eの店頭予想価格は現在15,000円前後で、TDP95W版のAthlon II X4と比べ数千円高い。値段にも省電力というプレミアが付いた格好だ。一方で、Athlon II X2 240eと235eは、それぞれ8,500円前後、7,500円前後になりそうだ。1万円以下での登場は、セカンドPCとしての省電力スモールPCとして十分検討できるポジションと言えよう。