米AMDは16日、"Propus"の開発コードネームで知られていたクアッドコア・プロセッサ「AMD Athlon II X4 630」と「同620」を発表した。X4 630は9月18日発売で、北米地域向けの1,000ロット時の単価は122ドル(国内参考価格12,980円)。X4 620は既に発売を開始しており、同99ドル(国内参考価格10,980円)。

Athlon IIでは初のクアッドコア・プロセッサで、L3キャッシュを搭載しない点がPhenom IIシリーズとの最大の違いだ。なお、本来はL3キャッシュが存在しない"Propus"コアを採用する製品なのだが、一部で、Phenom II(Denebコア)のL3キャッシュを無効にした個体が存在するという報告もある。双方の公開スペックは共通と見られるが、現時点では詳細は不明。

「Athlon II X4」のダイ写真。Phenom IIと異なりL3が省かれている

動作周波数はX4 630が2.8GHz、X4 620が2.6GHz。対応ソケットはSocket AM3。45nm SOIプロセスで製造され、トランジスタ数は約3億個で、ダイサイズは169平方mm(Denebコアは258平方mm)。キャッシュサイズはL1が512KB((inst64KB+data64KB)×4)、L2は2MB(512KB×4)。内蔵メモリコントローラはDDR2/3両対応で、DDR2-1,066MHz/DDR3-1,333MHzまでのDIMMを利用できる。HyperTransportは3.0で、帯域は4GHz(2GHzの双方向)。動作電圧は0.925~1.425V、Max Tempは71℃、TDPは95W。