グラフ5はCINEBENCH R10。言うまでも無いが、Athlon II X4 605eのスコアはクロック相応。Athlon II X2 240eにフォーカスしてみると、Single CPUテストで同クロックのAthlon II X4 630よりも高いスコアを記録しているほか、Multiple CPUテストでも、実は1コアあたりの数値を算出してみると、Athlon II X4 630よりも高いスコアであることになる。Athlon II X2 240eは、比較したAthlon II X4製品群のなかでは、2コアというハンデがあるものの、L2キャッシュの増量により、性能が底上げされていると言えるだろう。

続いてグラフ6はPCMark Vantage。Athlon II X4の3製品は、ここでもクロック相応。Athlon II X2は2コアであるため、最後尾に位置する結果だ。ただし、面白いのはMusicやProductivity。2コアであるためもっと低いスコアで良さそうなところ、Athlon II X4 605eにさほど離されない程度のスコアを記録している。これは、ベンチマーク側のマルチスレッド対応具合によるものだろう。PCの普段使いにおいて、どれほどマルチスレッド対応のアプリケーションが動くのか、どれほど複数のタスクを同時実行するのか、そうした視点で見れば、Athlon II X2 240eは、ベンチマークでこそクアッドコアに引けをとるが、普段使いの処理能力としては十分として考えることもできる。