悪名高い"スパマー"の1人が、また法廷の場で裁かれようとしている。米ミシガン州デトロイト郊外のウェストブルームフィールド在住のAlan Ralskyという人物が、中国株価操作を狙った大量のスパム送信の罪でデトロイトにある連邦地方裁判所に6月22日(現地時間)出廷した。このほか、4人が同様の罪で昨年起訴されている。複数のメディアが報じている。Ralskyは罪状が確定すれば3年半の実刑になる可能性があるという。

64歳のRalskyは「当時、世界で最も"悪名高い"スパマー」として名を馳せていた人物。スパム王の異名を持つ同氏は2004-2005年にかけて大量のスパムメールを送信、"ピンクシート"と呼ばれる中国や香港の未上場銘柄購入を持ちかけ、価格操作を行った疑いが持たれている。こうした行為により、2005年の1年間でRalskyが手に入れた資金は300万ドル(約3億円)に上るという。これらはCAN-SPAM法で禁止されており、過去にも同法違反で多数のスパマーが刑務所に送られている。

Ralskyを筆頭に、同ブルームフィールド在住のScott Bradley、米カリフォルニア州フレズノ在住のJohn BownとWilliam Neil、米カリフォルニア州カルバーシティ在住のJames Fiteの計5名が同時に起訴されている。Ralskyを代表として被告らはスパム送信をビジネスとして運営しており、前述のスパム送信をより効果的に行うためにマルウェアやフィッシングなどのテクニックも併用していたという。

5名の裁判はFBIの3年にわたる調査の結果行われたもので、10月29日に判決が言い渡される予定。