Java EE 6 SDKのプレビュー版が登場

さて、JavaOneが開幕した2日、SunはJava EE 6 SDKのプレビュー版をリリースした。これは現時点におけるJava EE 6仕様を完全に実装したアーリーアクセスであり、Java EE 6対応のアプリケーションサーバとなるGlassFish v3のプレビュー版を含んでいる。

Java EE 6 SDKプレビューはjava.sun.com内の公式ページよりダウンロードすることができる。GlassFish v3のプレビュー版についてはこれまでもGlassFishプロジェクトの公式サイトで公開されていたが、java.sun.comより直接ダウンロードできるようになったのはこれが初めてのこと。

Java EE 6 SDKプレビュー版では新たに導入されたWebプロファイル版も用意されている。ダウンロードサイズは通常版が約60MB、Webプロファイル版が約40MBで、およそ3分の2ほどのサイズに収まっている。

このJava EE 6 SDKのプレビュー版はSunが提供しているGlassFish Portfolioでサポートされる。単にGlassFish v3がSunのサイトで配布されるというだけでなく、Sunのビジネス的にも大きな意味を持っているのが今回のプレビュー版のリリースだ。

GlassFish Portfolioの拡張版

そのGlassFish Portfolioだが、JavaOneにおいてJava EE 6 SDKのプレビューも含めた機能強化が発表された。GlassFish Portfolioは2月にSunが発表したGlassFishに関する新しい価格モデルである。今回新たに加わった機能強化は以下の通り。

  • Sun GlassFish Web Stackの強化
  • Sun GlassFish Web Space Serverの強化
  • Java EE 6 SDKのプレビューのサポート

GlassFish Web StackではLAMPスタックを構成する主要なオープンソースプロダクトが新バージョンにアップデートされたほか、UIベースの包括的な管理ツールが追加された。この管理ツールによって単一/複数のインスタンスの導入を容易に行えることになるという。

GlassFish Web Space Serverでは新たにSSL-VPNモジュールのサポートが加わった。またSun Identity ManagerやMicrosoft Sharepoint、Documentum、Alfrescoといった各種コンテンツ管理システムとの統合機能も含まれ、ポータルやWebアプリケーションに対してVPNを利用してよりシンプルかつセキュアにアクセスできるようになるとのことだ。

Sunの発表によれば現在GlassFish Portfolioのパートナーエコシステムは米国において急激な成長を見せており、エンタープライズレベルでJavaを利用するための強固なソリューションとして認識されているとのこと。GlassFishおよびJava EE 6は、オープンソース化されたことによってSunにとってより大きなビジネス価値を提供できる存在に成長したようだ。