究極のアクション地形パズルゲーム、それがトゥームレイダーの真骨頂

「トゥームレイダー」シリーズはたしかに戦闘シーンもあるにはあるが、ゲーム全体の要素比でいうと、多くても半分程度。「トゥームレイダー」シリーズがヒットしてきた理由は、戦闘ではなく、そのステージに仕込まれたパズルを解き明かしていく楽しさにある。むしろ、「トゥームレイダー」シリーズはアクションパズルゲームといってもいいかもしれない。

そして、今作の『TRアンダーワールド』においても、その「トゥームレイダー」シリーズの旨味エッセンスがなんたるかを十分理解したうえでのゲームデザインがなされている。

まずはステージの探索から始めよう

ゲームは基本的には閉塞空間のステージのスタート地点に立たされたララをゴールへ導いていくことで進行する。今作は『1』と比較すると大分親切な作りになったとは思うが、よい意味で、洋ゲー特有の「突き放し感」がまだ残っているので、旧来のファンは嬉しいはずだ。まず、ステージ開始時は何をしていいかわからない。このほったらかし感が、最近の至れり尽くせりのゲームとは違ってちょっと心地いいのだ。

最初にすべきなのは、動ける範囲でステージ内の調査をすること。攻略本や攻略サイトの情報は2周目以降のやり込み時やどうしても行き詰まったときに見ることにして、できれば、このノーヒントでステージ内を彷徨うことから始めたい。なお、今作では「PDAメニュー」というステータスメニューを開き、「AREA HINT」の項目を選択すると、その時点での基本的な行動方針を「ララの独白」という形で教えてくれる。インスピレーションを刺激する程度のヒントなので、これを聞いてもネタバレにはならない。積極的に聞いてOKだ。

怪しそうなところは確実に怪しいのがTRシリーズの鉄則

基本的にララのメインの敵は、目の前に広がる遺跡の"からくり"たちであり、言ってしまえばゲームデザイナー(制作側)が仕掛けたトラップをかいくぐり、意地悪なパズルを解き明かすことが楽しみとなる。「トゥームレイダー」シリーズで、もっともシンプルなパズルは、エリア中のどこかに隠されたスイッチ/レバーを押して、行く手を阻む扉を開いたり、トラップを解除するというもの。こうしたケースでは、最初の動ける範囲の探索を終えると、制作者側の「どこに行かせたい」という意図が見えてくるので、それに素直に従う。そして、進んだ先にはタイミング重視でくぐり抜けなければならないアクションパズルや、連続ジャンプや掴まりアクションを駆使してのアスレチックパズルが待っていることが多い。

せっかく苦労していった先で、アイテムがなければ動作させられない装置と対面し、そこまでのアドベンチャーが無駄足になったりする場合も多々あるが、そのときはゲームをロードし直して、保存地点まで戻るのがいいだろう。本作の場合、ゲーム保存は、いつでも行えるが、実際に保存されるのはチェックポイント単位になる。チェックポイントを更新すると親切にも「チャリーン」という効果音が鳴って「チェックポイント」というメッセージまで出してくれるので、腕に自信がなければその都度セーブするとよいだろう。

敵は要所要所で登場。撃退して先に進め

基本的には方々を探索して、スイッチを作動させたり、あるいはアイテムを集めたりしながら、その集めたアイテムたちを適材適所に使うことによって、先に進んでいける。気づけばなんてことのないトラップも多いが、うまく地形にカムフラージュされているので、ステージ内を注意深く観察することが大事になる。

敵キャラクターは、エリアを通過する際の、あるいは探索範囲を広げる上での障害として登場する。正直いって敵キャラのAIはあまり賢くなく、特撮ヒーローものに出てくるザコ戦闘員以下の動きしかしない。場を盛り上げるエキストラ的な存在として捉え、軽くあしらってしまおう。

しかし、ボスクラスの敵との戦闘は、単なる銃撃戦に終わらず、そこでなんらかの戦略的な行動をとりつつ、パズル解法的に倒すというものになっている。こういったシーンではひらめきとアクション操作の双方が強いられるので、それまでのマイペースで進められた地形相手のパズルとは違って、ハラハラドキドキしてしまうかもしれない。

ボスクラスとの戦闘は…単なる銃撃戦で終わらない!

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