『バイオハザード5』の舞台はアフリカ!
~狂気の表情を浮かべた街の人がこれから始まる恐怖を予感させる~

今作の舞台は灼熱の太陽が降り注ぐアフリカ。これまでの「バイオハザード」シリーズのように、建物内の閉鎖空間ではないし、ましてや視界の悪い夜でもない。見通しがよい昼間の屋外からゲームが始まるのだ。最初のシーンは、アフリカの小さな村に足を踏み入れるところから始まる。

背後で暗躍する謎の仮面の人物の正体は? 敵か味方か!?

クリスはこのバイオ兵器密売人のリカルド・アーヴィングを追っているという設定。その背後にはもちろんアイツが……!!

これまでの「バイオハザード」シリーズでは出てくるNPCは、すべて敵(クリーチャーやゾンビ)か、あるいはシナリオ上重要な台詞回しをする重要人物と両極端だった。この最初の街では、こちらに特に関心を示さない"街の人"的なNPCがたくさん出てくる。筆者は地味ながら、ここに感動してしまった。こうした前作までとは違う雰囲気の演出は、新しいバイオハザードの始まりを強く感じさせてくれる。それにしても、この"街の人"の表情はどことなく狂気を帯びており、それでいてちょっとは人間的な部分も残っているような立ち振る舞いもする。ここに、ラクーンシティの事件までの殺意と食欲だけのゾンビなどとは違った怖さがある。

さて、一見すると広大なオープンフィールドを舞台にしているかのようにも見えるが、大丈夫。本作でも、シリーズ伝統のストーリー主導のシネマティック・アドベンチャー・ゲーム・スタイルになっているので、どこへ行くべきか迷ってしまうことはない。

ゾンビではない狂気の群集が本作の敵。ただし、謎の生物に寄生されていて凶暴

変異した寄生生物が大軍で押し寄せてくることも

主人公キャラクターへの没入感を高めつつ、うろうろと街を探索をしているうちに何をすべきかが見えてくるはずだ。

最後までプレイした感想だが、後で振り返ってみると、移動できる範囲は遊園地的な、限られた範囲でしかなかった。しかし、それなのに、ものすごく広い範囲を動き回ったように錯覚させるステージ構成は巧いとしかいいようがない。適度なプレイ労力で広大な世界観が感じられるバイオハザード・マジックは本作でもきっちりと継承されているのだ。

水上に姿を表した巨大クリーチャー。さまざまなシチュエーションがプレイヤーを待ち構える!

(次ページに続く)