協力プレイが『バイオハザード5』の真骨頂
~気になるあの子と仲良くなるきっかけにどうぞ~

この相棒キャラ、実はAIではなく、もう1人のプレイヤー……すなわち人間が操作することも可能。そう、本作は2人同時プレイ"Co-op"が可能なのだ。2人同時プレイは、ネットワークに繋いでいれば、オンライン上の友人、あるいは世界の人と行うこともできる。PS3のPlayStation Networkでは無料、Xbox 360ではXbox Liveの有料メンバー同士でプレイできる。なお、残念だがPS3とXbox 360の異機種間の協力プレイには対応してない。

ネットワーク環境がない場合は、ゲーム画面を上下に分割し、コントローラを2つ使っての協力プレイも可能だ。テレビが40インチ以上もあれば分割画面でもゲーム画面がそれなりに大きく映るので、問題なく楽しめる。友だちが遊びに来たときなどは、このモードでの協力プレイがおもしろい。

画面分割プレイはこんな感じ。けっこういけるでしょ?

協力プレイ時もプレイするシナリオはシングルプレイ時とまったく同じ。簡略化なしのフル版のシナリオをネット上の友人と体験できるのである。それぞれのプレイヤーは自分のキャラクター視界で見ることになるので、相手のプレイヤーの様子はときどき意識して見てやらないとわからない。しかし、それもなかなか面倒くさい。そこで、オススメしたいのが、ヘッドセットだ。

協力プレイを行う場合、ぜひとも用意しておきたいのがヘッドセット。左がPS3用で、右がXbox 360用

PS3版、Xbox360版ともにプレイ中はボイスチャットが出来るようになっており、世間話をしながらするのもよいが、お互いのプレイ状況を伝え合うのにヘッドセットは実に有用なのだ。2人協力プレイはボイスチャットがあると楽しさ倍率が跳ね上がるのでヘッドセットをこの機会にぜひとも購入してほしい。プレイ中の役柄になりきって、「きゃぁ、たすけてぇ」と助けんだりすれば、臨場感も増すかも。

シングルプレイのボス戦では、プレイヤーの行動を見て、AIがそこそこ的確な攻撃をしてくれるので、相棒の存在のありがたさの実感をあまりせずにこなせてしまうが、ヘッドセット+協力プレイのボス戦はまったく違ったおもしろさが出てくる。「オレ、雑魚を処理するから、ボスの触手を狙って」とか「オレ、上担当、下担当頼む」とか「オレが囮になるから、裏から攻撃」とか、ボイスチャットを駆使した攻撃分担がとても楽しいのだ。1人プレイ時にシェバに惚れかけたあの心情を友だちに抱きそうになる。最近ちょっと冷めてなれ合いになってきた恋人同士なんかの結束力/信頼感増強には絶対オススメだ。

巨大なボスとの戦闘は2人のコンビネーションがなければ倒すのは困難!

協力プレイの場合、シングルプレイ時にはAIキャラが自動で行っていた別行動イベントを、もう1人のプレイヤーが自身で操作することになるので、その点でもスリルが増す。離ればなれになるとなんだかとても戦闘が不安になってくるのだ。実際、攻撃の手数が減ることになるので、状況としてもピンチになる。またさらに、シングルプレイにはない協力プレイならではのゲーム性も付加されるので、シングルプレイをクリアしただけでは『バイオハザード5』のすべてを体験したことにはならない。ここは強調しておきたい。シングルプレイ・クリア後もソフトを棚にしまい込んでしまわず、ぜひ2人プレイで2周目を体験すべきだ。

たとえば、イベントシーン(ムービーシーン)で、指示されたボタンを正しく押さなければならないミニゲームが発動することがあるが、シングルプレイでは自分1人がこれに成功すれば先に進めた。しかし、協力プレイでは双方のプレイヤーに個別に押すボタンの指示がなされ、そのボタンを押し間違えたときには、間違えたほうのプレイヤーが死んでゲームオーバーになってしまう。2人でプレイしていてどちらかがボタン押しゲームでミスをすると、どっちがミスしたかがわかる形でゲームオーバーを迎えるので、「おい、しっかりしてくれよ~」という感じで友だち同士ならば大爆笑必至だ。

洞窟のシーンでは1人がライトを持って探索。もう1人は護衛を担当することに

「協力プレイは実力差があると迷惑かけるから」と思って腰が引けている人、その点は心配なし。本作の場合、シナリオ進行の関係上、どうしても相手の力が必要になるし、巧い人が1人で勝手に進んでいけるゲーム設計になっていない。どんなに自分より巧い人とプレイしていても、自分の力は相手にとって必要なのだからマイペースで行ってOKだ。それと「協力プレイは2周目に楽しむ、1周目はシングルプレイで」という人も多いようだが、本作では、2人による協力プレイでの1周目トライもアリだと思う。お互い、先のゲーム展開に何が待っているのか分からない状態で挑むのはかなりスリリングだし、楽しくなること間違いなしだ。

気になる人が自分と同じゲーム機を持っているのなら、「一緒に『バイオハザード5』をやらない?」と誘ってみよう。本作は友だちになるきっかけツールにもなるのだ。

背中を任せられる相棒がいることの素晴らしさ。これが『バイオハザード5』のテーマ

(次ページに続く)