「After Effects CS4」で作業効率はかなり良くなった

長添雅嗣
武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。クリエイティブ・スタジオteevee graphicsに参加。デザイナーとして数々のCF・PVを手掛けた後、映像ディレクターとして活動。BOOM BOOM SATELLITESや髭(HiGE)などのPV、またPARCOやKONAMIなどのCFを手掛ける。最近では、ライブ映像、映画タイトルバック、プロダクトUI開発、TVブロードキャストデザインなどモニター内に留まらず幅広く活動。2008年夏に独立しフリーランスのディレクターとして活動。2008年には宇川直宏の新プロジェクト「UKAWANIMATION!」にも参加

映像の合成・エフェクトツールである「After Effects」を作品制作に活用している映像クリエイターたち。すでに「After Effects CS4」で作品制作を行っているという映像ディレクターの長添雅嗣に話を訊いた。

――長添さんはすでに「After Effects CS4」を使って仕事をされているそうですね。

長添雅嗣(以下、長添)「そうですね。After Effectsだけじゃなくて、After Effectsと『Adobe Premiere Pro CS4』を使って完成させたプロジェクトがすでにあります」

――お仕事でアドビ製品は何年間くらい使用されているのですか?

長添「21歳の頃から使い始めて、今、29歳なので8年くらいですね」

――主に制作のどの部分でアドビ製品を使っているのでしょうか?

長添「映像を作る工程が、企画、撮影準備、撮影、仕上げだとしたら、やはり仕上げの部分ですね」

――「After Effects CS4」、「Premiere Pro CS4」を実際にお仕事で使っていて、どんな印象を持たれていますか?

長添「2点、良いと思う部分がありますね。まずはトラッキング。トラッキングの機能って、実写とグラフィックを重ねて、今までないようなスタイルでやろうっていう僕みたいな映像作家には、絶対マストなツールなんです。これまで、その機能がAfter Effectsでは正直弱ったんですが、ボタンひとつで一発で出来るようになったから、そういう意味ではだいぶ作業効率は良くなりました。もうひとつは、Dynamic Linkですね。Premiere ProとAfter Effectsをレンダリングせずに行き来が出来る。これも、僕みたいな作業をする人にはありがたい部分です。オフライン編集して、その後コンポジット作業をAfter Effectsでやるから、両方を使うんですよね。After Effectsでちょっと加工して、ちょっと編集違ったなと思ったらオフラインで直す。それを全部ひとりでやるから、これまでだと1回レンダリングしたり、保存し直したりしなくてはいけなかったのですが、Dynamic Linkのおかげで、そのまますぐ作業が出来るんです。この機能は大きいですね。あと検索機能が使い易くなった印象があります。PV1本のグラフィックを編集すると、レイヤーの数が1000とかなってしまうんです。素材の量も膨大になってくるので、納品直前は、作業が大変になってしまうんです。そんなときにコンポジションの位置関係がフローチャートになって表示されるから、凄く楽ですね」

――作業効率が良くなったことで、アイディアを練る時間が増えたなんて事はありますか?

長添「絶対そうですよね。そうなっていると思うのですが、でも逆もあるかなって思います。例えばレンダリングしてる時間って、僕らはもう休憩したりとか、作業ができないからマウスから手が離せるじゃないですか。その時間にアイデアを考えることが出来たのですが、効率が良くなったことで、作業しっぱなしで仕事量が増えてしまうという事もありえますね」

長添雅嗣はいかにして映像クリエイターとなったのか。続きはこちら