消費電力

最後に消費電力。以下の結果はすべてAM2+プラットフォーム上で、システム単位の消費電力を「ワットチェッカー」を使って計測したものである。ロードの項目はCINEBENCH R10のMultipleテスト実行中のピークの数値だ。

さすがに消費電力は増えてしまっているが、これはパフォーマンスアップもキチンと伴った上でのものなので、仕方の無いトレードオフと考えるべきだろう。なお今回、Cool'n'Quietはオンの状態で計測している。アイドリング時の消費電力がかなり低く抑えられており、クアッドコアでこの水準というのは非常に好印象だ。

まとめ

Phenom II X4 955 Black Editionだが、2つの意味で重要な製品だと思う。ひとつはPhenom IIシリーズの最高動作周波数を更新したこと。もうひとつは、これがSocket AM3の製品であるということだ。

ご存知の通り、これまでのAM3プラットフォームにおける最上位プロセッサは、AM2+版Phenom IIに比べ見劣りしてしまうPhenom II X4 810であった(X4 910は国内では入手困難)。AM3は、プラットフォームは最新鋭でありながら、総合性能では旧世代に及ばないという不健康な状況が続いていたわけだが、それも晴れて解消である。

今回の新モデル発表が、AM3プラットフォームの真の立ち上げなのだと言ってしまって良いだろう。競合他社の最速クラスとの争いは今後に期待する課題だとして、少なくとも、AMDのプラットフォームで最高の環境が欲しいという向きには、迷うことなくPhenom II X4 955 Black EditionとAM3マザーボードの組み合わせをオススメできる。