そういった予測が更にひっくり返ったのが、今回のGelsinger氏の基調講演である。Desktop、Serverに続き、Embedded向けに話題を移し、AtomがEmbedded向けにより一層使われるという話の後でいきなり登場したのがこのJasper Forestである(Photo09)。

Photo09: プレゼンテーションには出てこないが、2つのCPUを繋ぐのはどうみてもQPIである。

さて、このJasper Forestは何でしょう? なんて考えるまでも無く、どうみてもNehalemである。つまりNehalem(やNehalem-EP)には、図1で示しただけではなく、PCIe Gen2のレーンや、ESIとしても使えるDMIも搭載されていることになる(というか、そう考えないと辻褄が合わない)。要するに図1が間違っていて、実際のNehalem/Nehalem-EPの構造は図6の様になっていると考えられる。

これであれば、話は非常に楽だ。つまりNehalemとNehalem-EP、Lynnfield/Clarksfield、Jasper Forestは全て同じダイであり、後はセグメントに応じて有効とされるI/FやL3キャッシュ、動作周波数、Hyper-Threadingの有無を設定する形になる訳だ。2月11日に公開されたロードマップ(Photo10,11)で、Lynnfield/Claskfieldがまるっきり32nmに移行する予定がないのが判る。主な理由は、32nmの生産キャパシティがそれほど無いためだろうと推測されているが、副次的な理由として45nmでは1種類のNehalemを大量生産しているから、ここを32nmに移行してしまうとNehalemが余ってしまうという事も考えられそうだ。

Photo10: これはクライアント向け。Lynnfield/Clarksfieldは2010年以降(というかSandy Bridgeが登場するまで)ずっと45nmのまま推移することが予定されている。

Photo11: こちらがサーバ向け。Entryの3000 SequenceのLynnfield ProcessorがJasper Forestの事を指すと思われる。ということはLynnfieldは3本のDDR3 MemoryやQPIを使った2CPU Configurationもサポート出来るという事で、ここからもLynnfieldとNehalemが同じものである事が判る。

まぁ余り一般ユーザーには関係の無い話かもしれないが、Nehalemの隠されていた部分をちょっと垣間見る事ができた内容であった。