NECエレクトロニクスは4月20日、産業機器や車載機器向けに同社32ビットCPUコア「V850E」の性能改善および、同CPUコアを2つ搭載したデュアルコア「V850E2M」を開発したことを発表した。

改良版V850Eは、性能を1クロックあたり40%改善しており、同デュアルコアは、この改良版V850Eを2つ搭載したほか、内蔵メモリを共有するUMA(United Memory Architecture)技術を採用。また、それぞれのCPUが実行する演算プログラムを同期させる回路を内蔵したことにより、1コアの場合と比較して同等性能時で60%の低消費電力化ならびに400MHz動作時の処理能力1025.2DMIPSを実現している。

さらに、2つのCPUが同時に同じ演算を行い、結果が同じであれば実行する冗長(リタンダント)構成となるロックステップ動作をシステムに応じて適用可能であるため、信頼性重視のシステム向けにソフトウェアを介することなく高速で異常を検出することが可能なほか、演算結果を検証するためのソフトウェア開発の負荷を軽減することが可能となる。

同社では、これら新技術を適用したマイコンを採用することで、ユーザーはシステム全体の低消費電力化、ならびにソフトウェア開発の負荷軽減によるシステムの開発効率向上が可能となるとしている。

なお、これらの技術を採用した最初のマイコンは2009年秋に産業機器市場向け製品として登場する予定となっている。