LEGOの日本法人であるレゴの教育事業部門「レゴ エデュケーション」は3月26日、小学1年生からでも本格的なロボティクスを学べるロボット製品「レゴ エデュケーション WeDo」を発表した。

WeDoの中身の一覧

WeDoは、同社のロボット製品「レゴ マインドストーム」が対象とする年齢層よりも低い「小学校低学年」、およびインフラが整っていない「開発途上国」、そして「女の子」にも身近に感じられるロボットといった3つのコンセプトを軸に開発されたもので、学校での「サイエンス」「テクノロジー」「数学」「言語と読み書き」といったカリキュラムとの連携が想定されている。

レゴ エデュケーション 日本地区マネージャーの樺山資正氏

レゴ エデュケーション日本地区マネージャーの樺山資正氏は、「今の小学生が大学を卒業する頃には、その50%の人が今の世の中にない仕事に就くと言われている。そのためには"Creativity,Problem-solving,and Teamwork(創造力・問題解決力・チームワーク力)"を養うことが必要であり、レゴ エデュケーションではそれをターゲットとして活動してきた」と語る。

また、何故ロボットなのか、ということについては、「子供達が夢中で取り組み、科学や技術などが楽しく学べるため」(同)とする。

WeDoは3つのセットに分かれている。1つ目はハードウェア「9580 レゴ エデュケーション WeDo 組み立てセット」であり、カラフルなレゴブロックと、レゴブロックのUSBハブ、モーションセンサ、チルトセンサ、パワーモータが合計158個入っている(センサやモータなどは1個同梱)ほか、部品一覧カード1枚が添えられている。

モータ(左)やレゴブロックを組み合わせ飛行機を製作

2つ目はソフトウェア「2000095 レゴ エデュケーション WeDo ソフトウェアv1.1」で、National Instruments(NI)のLabVIEWをベースにしており、各種の機能を持たせたアイコンをドラッグ&ドロップ方式でつなげるだけでプログラミングが可能であり、「7歳の子供でも分かるシステムに仕上げた」(同)とする。

3つ目はアクティビティ「2009580 レゴ エデュケーション WeDo アクティビティガイド」で、CD-ROMの中に12種類のモデルの組み立てガイドがアニメーションで入れられており、それぞれのロボットに合わせた組み立て課題や、創造力を膨らませるきっかけとなるストーリーなどが入っている。

12種類のロボットデータが入っており、それぞれについての解説などが行われる

実際の運用は非常に手軽で、ロボットを組み立て、それをUSB経由でPCに接続、PC上に起動したソフトウェアのプログラミング画面でアイコンをつなげて各種のルーチンを作成する。このルーチンは画面上に複数存在でき、複数を同時に実行することも可能なほか、PCのモニタとも連動したり、メールの送信、受信によるアクションといったことも可能だ。

真ん中の白いスペースに下からアイコンを持ってきてつなげることでアクションが組み合わされる(右の写真のアイコンは、スタートボタンとモータを右回転させるもの)

モータがどのような動きを見せるかの説明図(左)や、模範解答の図(右)を見ながらプログラミングもできる

アイコン各種を組み合わせることで複雑な動きも可能となる(左)ほか、USBケーブルでロボットとPCがつながっており、スタートボタンを押すとプロペラが回る(右。この場合、角度によって回転数が変化するようにプログラムされている)

Massachusetts Institute of Technology(MIT)のMitchel Resnick教授

WeDoに関して、開発に携わったMassachusetts Institute of Technology(MIT)のMitchel Resnick教授は、「子供達が社会に出たときの助けとなるもの」と表現し、「知識偏重の社会はもはや時代遅れであり、知識をいかにクリエイティブなことに用いるかが求められる創造的な社会へと移ってきている。そのためには、"創造"して、何かを"作る"、そしてそれを競い合って"遊び"、皆で知識を"共有"し合い、大人が何故そう作ったのか、同考えて作ったのかを質問することで、一歩下がって振り返ることができるようになり、それが新たな"創造"につながる」(同)という「クリエイティブ・スパイラル」を生み出す必要があり、その助けになるのがWeDoであるとした。

クリエイティブ・スパイラル(これにより創造力、問題解決力、チームワーク力が養われていくという)

WeDo3製品はともに2009年7月より販売を開始、価格は組み立てセットが1万8,900円、ソフトウェアが7,980円(複数ライセンス用にはサイトライセンス3万5,280円を用意)、アクティビティガイドが7,980円(複数ライセンス用にはサイトライセンス3万5,280円を用意)となっている(アクティビティガイドのみ7月から販売するものは英語版で、日本語版は同11月からの提供予定)。

小学1~3年の男女12人が2名3組のチームを組んでそれぞれロボットを作成、ストーリーを考え、それを発表した(顔合わせからロボット完成までの時間は1時間程度であったとのことなので、いかに簡単にロボットが作れるかがお分かりいただけるだろう)

なお、レゴでは、発売前の活動として4月25日から5月25日までの間、千葉市科学館でワークショップを開催するほか、8月には新潟県立自然科学館やe-とぴあ・かがわでもワークショップを行う予定としている。また、4月下旬からロボット科学教育の手がける「CREFUS」の「新百合ヶ丘教室」「青葉台教室」「三軒茶屋教室」「池袋教室」においてWeDoを取り入れたカリキュラムを開始するとしている。

左のようなプログラムをすると、ワニが、口を開き、センサで口に触れたことを感じると閉じて音が出るという(右)動きを見せる

動画
センサ部分を外して、口を開けて、すぐに閉じるというプログラムをしてみた(wmv形式 1.08MB 5秒)