視覚面の向上には、「タブグループ」機能が大きく関与しています。同機能はある条件を用いて関連するタブを自動的に色分けし、同一グループのタブをまとめて閉じるなどの操作が可能になりました。また、<このタブをグループ解除>を選ぶと、現在のタブ(閲覧中のWebページ)をタブグループから取り除き、単独色に切り替わります。調べ物に必要なWebページが見つかったら、そのタブ(Webページ)だけをグループから取り除き、それまで検索などに用いたWebページを閉じるといった操作も行なえます。一見すると地味な機能ですが、複数のWebページを開いて相互的に情報を調べるユーザーには使い勝手の良い機能となるでしょう(図31~32)。

図31: 検索サイトやサイト内リンクなどを別タブで開きますと、自動的に色分けするタブグループ機能。一度に複数のWebページを開くユーザーにお薦めの機能です

図32: タブの<×>ボタンもしくはコンテキストメニューの<このタブグループを閉じる>を選びますと、同配色のタブをまとめて閉じます

情報の収集をつかさどるWebブラウザの利便性を鑑みると、「Webスライス」という新機能も注目に値します。同機能はWebページの一部を肉片のように切り取り、ツールバー上へ登録。ユーザーは好きなタイミングで最新の情報をWebサイトにアクセスすることなく確認できるというもの。RSSフィードにも似た機能ですが、どちらかと言えばRSSフィードは一定以上の情報を定期的に確認するスタイル向けであり、Webスライスは必要最小限の情報を任意のタイミングで確認するスタイルに向いています。またWebスライスはWebサイト側の対応が必要ですので、アドオンギャラリーのWebスライスの追加からアドオンを登録しましょう(図33~34)。

図33: WebスライスをサポートするWebサイトにアクセスし、対象となる項目にマウスを重ねますと、Webスライスアイコンが表示されます。同アイコンをクリックし、表示されたダイアログの<お気に入りバーに追加>ボタンをクリックしてみましょう

図34: するとIE8のお気に入りバーにWebスライスが追加され、同ボタンをクリックしますと、必要な情報のみ小窓で表示されます

Mozzila Firefoxにおける拡張機能と同じく、IE8における多くの機能はアドオンによって実現するようになりました。アドオンギャラリーには、前述したアクセラレータや検索プロバイダ、Webスライスと一緒にツールバーなど数多くのアドオンが並んでいます。これらのアドオンが今後どのように充実していくのかは、Windows Vistaのガジェットを見ると不安が残りますが、Webスライスに関する技術情報を見ますと、ある程度の開発経験を持つユーザーであれば、それほど難しくなさそうです。腕に自信のある方はチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。