アクティブなスポーティデザインが魅力の多機能クロノグラフ「EDIFICE」
上:「EQW-M1000DC-1AJF」 2層構造ダイヤルを採用し、メタルパーツすべてにブラックIPが施され、精悍さも一層アップ 
下:「EQW-700DBJ-1AJF」 液晶ディスプレイを備え、世界3局の標準電波に対応する

メカメカしさを好む人や、二輪を含めてモータースポーツ・ファンのハートをがっちりキャッチし、イタリアをはじめとする欧州や香港など海外では既に人気を獲得している新進時計ブランド「EDIFICE(エディフィス)」が満を持して、国内展開を果たした。

EDIFICEは、昨年の世界時計博こと、スイス・バーゼルで開催された「バーゼルワールド2008」カシオブースにコーナーが設けられ、華々しく世界デビューを飾った。コーナーでは世界各国から訪れたプレス、バイヤーら多くの人が足を止め、時計立国スイスの現地メディアも大きく取り挙げ一躍脚光を浴びた。

日本が世界に誇る理工系頭脳集団であるカシオのハイテク技術が投入されたEDIFICEは、ご覧のようにアクティブかつ奥行きのあるデザイン性を有し、なおかつ現在の国内価格で3万円台からというリーズナブルな価格を実現している。

今年2月より、国内投入が開始されたが、5月発売となるEDIFICEのフラッグシップ機「EQW-M1000」は、上下2枚からなるダイヤルの上側を大胆に切り取り、深さをも表現することで多層による立体感を演出した3D文字板が特徴だ。

「EQW-M1000」 テイストの異なる上下2枚のダイヤルの上側を大胆に切り欠くことで、奥行きと迫力あるデザインに仕上げられている

そんなEDIFICEの誕生経緯は、「現在のトレンドを先読みして、多層ダイヤルのクロノグラフで、オートバイのタイヤをイメージさせる回転ディスクを備えるなどの独自な意匠を考えていきました」と担当デザイナー。確かに「バーゼルワールド2008」でも、今年1月にスイス・ジュネーブで開催された国際高級時計見本市「SIHH」でも、多層ダイヤル、3Dダイヤルと表現される、切り欠き部を設けるなどして立体構造かつ奥行きのある文字板を有する各高級時計ブランドのニューモデルを多く目にした。このようにEDIFICEは、世界的な時計トレンドを先読みしたタイムリーな製品だといえる。

一定期間を通過する自動車などの平均時速を割り出すことができるベゼル(ダイヤル外周部)は、側面にスリットを施すことで、立体感とシャープな印象を見る者に与える

また、9時位置に配した円盤状のアルミ製ディスクは曜日/モード表示のほか、20分の1秒ストップウォッチ時には毎秒1回転という高速回転を行う。動き出せば慣性モーメントが働くためそんなに大きなトルクは必要ないというが、回転時には大きなトルクがかかるため、極小ながらも高出力、低消費電力のモーターを搭載する独自モジュールの開発には相当の時間とコストがかけられたのではないだろうか。

「EQW-700」 多角のケース外周により、ワイルドかつスポーティなルックスを実現。4時位置の液晶によりデュアル表示する

12時、6時、9時位置のインダイヤルには赤いラインが入っており、ビビッドでスポーティな印象を与えている

この点について、カシオには既に、G-SHOCKやOCEANUSなどのために、最先端技術を投入して開発してきたモジュールがあり、ディスク針を高速回転させる「EQW-M1000」にも、多針用で5つのモーターをLSIで制御する汎用モジュールが使えたのだという。このあたりも高機能を誇るEDIFICEが、逆にリーズナブル価格を実現している鍵といえそうだ。そのうえタフソーラー(大容量ソーラー充電システム)、世界6局の電波受信機能まで装備。精悍なアナログ・クロノグラフに、カシオ独自のソーラー電波機能、世界29都市(29タイムゾーン、サマータイム設定機能付き)、UTC(協定世界時)時刻設定など多くの機能が搭載されているのだ。

モータースポーツ観戦時などはカジュアルにもマッチするが、ご覧のようにスーツともよくなじむ。薄型でフィット感もすぐれている

ストップウォッチ機能に積算計をプラスしたアナログ・クロノグラフは、欧州の時計メーカーが機械式ムーブメントを研鑽しながら伝統的に手掛けてきた。しかし、EDIFICEは、カシオ独自のアナログ・クロノグラフの表現のひとつであり、多機能さという優位性においても、欧州勢になんらこびるところがない。昨年、海外でリリースし、イメージキャラクターをデビッド・クルサードとしたツインクロノグラフの売り上げも好調。今年は「EQW-M1000」のイメージによりマッチする、あるレーシングチームとのタッグの発表が「バーゼルワールド2009」にて行われるという。

機能性の充実に加え、20~30歳代という明確なターゲット層の絞り込みができ、高いデザイン性を有するEDIFICE。自動車やオートバイ、何よりもクロノグラフが好きな人は要注目だ。