――2007年夏に発売したワンセグ搭載の防水モデルW52CAでは、画面に「Bonite(ボニット)」が登場した。誰からも愛されたペンギンとは異なり、必ずしもかわいいとは言えきれない「カツオ」が、コミカルに描かれたデザインだった。

井戸氏 ペンギンが有名になって「次のキャラクターを」という要望がきていたのですが、もともとキャクターを作ることが目的ではなかったので、意表をつこうということになりました。「カツオ」にしたそもそもの理由はダジャレです(笑)。例えばわれわれが領収書をもらうときに「カシオ計算機」が「カツオ計算機」になっていたりすることがあるんですよ。カツオは食材でもあるので、多少手荒なことができるんです。干からびたり、煮られたり、ちょっと痛い目にあったり……。ペンギンでは表現できないようなブラックユーモアも盛り込みました。

カツオをシュールかつコミカルに描いたW52CAの画面デザイン

W52CAのメニュー画面

W52CA

辻村氏 このころになると他社からも画面デザインを工夫した端末も増えてきて、動物キャクターも出てきていました。ですので、あえて誰もが使わない、意外な動物にしようという狙いもありました。ストーリー的にもシニカルでシュールな方向に振りました。でも、けっこうカツオファンも多いんですよ。じわじわと人気が出ましたね(笑)。EXILIMケータイ W53CAにもカツオを入れましたし、ペンギンを使ったW61CAにも、ユーザーが任意で設定できる「ケータイアレンジ」としてプリインストールしています。また、カツオが主役のW52CA、W53CAにはペンギンのケータイアレンジを入れてあります。

――昨夏に発売されたG'z One W62CAでは、2匹のゴリラ「Eco & Ego G」が登場した。

井戸氏 善人の「エコゴリラ」と悪者の「エゴゴリラ」という設定で登場します。エコメッセージを伝える為、個々の性格を明確に打ち出したのは初めての試みでした。W62CAには方位、潮位、月齢表示などを調べられる「G'z Gear」というアプリを搭載しましたが、ケータイを開くたびに地球の環境問題などを想起してもらえたらいいな、という隠れテーマもありました。

ゴリラをモチーフにしたW62CAの画面デザインの隠れテーマは「地球環境保全」。エコゴリラはゴミの分別をするが、エゴゴリラは空き缶を散らかしたりする

W62CA

辻村氏 ゴリラは絶滅危惧種ですからね。でも、G'z Oneの「G」にひっかけたという理由もあります。エコゴリラとエゴゴリラがさまざまなストーリーを展開しますが、説教っぽくならないように、従来のペンギンやカツオと同じように、気軽に楽しんでもらえるように気をつけました。ゴリラはペンギンよりも多くのパーツが必要で、細かい動きもできるようにしましたし、線画の背景も入れましたので、非常に手間はかかりましたね。