既報の通りソフトバンクモバイルは1月29日、春商戦向け携帯電話の新商品発表会を開催した。今回は初の試みとして、会場に一般客3,500名を招待し、吉本興業所属のお笑い芸人が商品のプレゼンテーションをするという形式で発表会を実施。携帯電話の新機種に加えて、ソフトバンクユーザーの投票でチャンピオンを決定する、賞金総額2億2,000万円のお笑いコンテスト「S-1バトル」を3月から開催することなどを発表した。新機種自体よりもむしろコンテンツが強調される内容となっており、ソフトバンクの次の戦略が見え隠れする発表会となった。

発表会にも"行列"ができた

今回の発表会に招待された一般客は、1月13~25日にソフトバンク携帯電話を新規契約した先着500組1,000名と、参加募集サイトに申し込み抽選で選ばれた1,250組2,500名の合計3,500名。当日券の配布などはなかったが、ホール内での座席は自由席だったため、お気に入りの芸人を少しでも良い席で見ようとする人々が早くから来場。会場の東京国際フォーラムには、平日の昼にもかかわらず長い行列ができていた。

ソフトバンクのロゴが入った「最後尾」の看板など、昨年のiPhone 3G発売を思い出させる行列

発表会場は東京国際フォーラムのホールA。先着順に前のほうから座席が埋まっていく

ソフトバンクの孫正義社長

ソフトバンクの新機種発表は、プロダクト担当役員や商品企画担当者などではなく、孫正義社長自らがすべての新機種・新サービスを事細かに説明することで知られる。最近は他社にも追随する動きがあるが、同社はいち早く発表会の本格的なネット中継を開始し、その模様をリアルタイムで公開していたことからも、自らのプレゼンテーションに対する孫社長の自信がうかがえる。

しかし今回は、名物だった孫社長のプレゼンに代わり、吉本の人気芸人が1グループ(1人)1機種を担当する形で、春モデル7機種が紹介された。お笑いのネタをまじえた新機種のプレゼン、というよりも、お笑いライブそのものが繰り広げられるステージの中に新機種が登場するような構成だったが、いずれも担当芸人が各機種の特徴をよくとらえた説明を行い、孫社長からも「お話が上手だというのはもちろん期待していたが、自分の説明する機種の機能をここまで覚えて、表現してくれたことに感動した。最高に素晴らしかった」と大好評だった。

新機種の発表会というより、お笑いライブそのもののステージ

発表会にお笑いを取り入れることについては社内でも議論があったという。しかし、「『(芸人が)言ってはならないことを言ってしまったらどうするのか』という社員の声もあったが、最後は僕が『行ってまえ!』と」(孫社長)と、最終的には孫社長の一声で実行を決定したことを明かした。

製品紹介の中にはさまれるネタの数々に孫社長も爆笑

「楽屋にあったハッピーターン2枚よりも薄い」と932SHを紹介する世界のナベアツさん

孫社長はプレゼン中もステージ上にいたため、当然のようにネタの対象に。フットボールアワーからイジられる

エド・はるみさんから「まさか生きている間に孫社長様にお会いできるなんて本当にコォーッ栄です」と言われ恐縮する孫社長