マイクロソフトは、年末商戦に向けたWindows Mobile搭載スマートフォンの販売促進キャンペーンを開始した。11月から12月にかけて六本木ヒルズ、HMV都内3店舗に体験コーナーを設けるほか、対象商品の購入で賞品が当たるプレゼント企画を来年1月上旬まで実施する。

キャンペーンを前に行われた「Touch! Windows Mobile」イベントに登場したザ・たっちのたくやさん(左)、かずやさん(右)と優木まおみさん

六本木ヒルズでは、森タワー52階の展望フロア「TOKYO CITY VIEW」で行われているクリスマスイベント「スカイ・イルミネーション2008」(主催:J-WAVEおよびTOKYO CITY VIEW)の会場にWindows Mobile搭載スマートフォンを設置。実機の使い勝手を体験できるだけでなく、イベント会場限定のアプリを搭載しており、会場の大型画面やWebサイト「MSNクリスマス特集」などと連動した特別コンテンツを楽しめる。期間は12月25日まで。

TOKYO CITY VIEWで期間中に楽しめるスペシャルアプリ

昨年に続きこの年末年始にも大型のプレゼントキャンペーンを実施

HMV新宿SOUTH店、渋谷店、銀座インズ店では、今年が日仏交流150周年にあたることにあわせ、HMVおよび日仏音楽交流委員会の協力を得て、「Touch Diamond」でフランスの最新音楽を試聴できるコーナーを設置する。期間は12月14日まで。

昨年に続いての実施となるプレゼントキャンペーンは、2009年1月11日までにWindows Mobile 6.1日本語版を搭載した機種を購入すると各種賞品が当たるもの。受付は12月1日からだが、11月20日以降の購入であれば応募は可能。賞品は上海2泊3日ツアー(5組10名)、シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京 ヒルトン東京ベイ1泊2日ツアー(5組10名)、携帯電話周辺機器やAmazonギフト券など総計300名分を用意している。

Touch Diamond、Touch Pro、WILLCOM 03の3機種をこの年末の戦略商品に据える

キャンペーン開始にあたってTOKYO CITY VIEWで行われた「Touch! Windows Mobile」イベントには、お笑いコンビ「ザ・たっち」のたくやさん・かずやさんと、タレントの優木まおみさんが「スマートフォン使い隊」として登場。ザ・たっちのふたりはTouch Diamondで撮影した「幽体離脱~」のネタ、優木さんはプライベートで撮影した写真などをそれぞれ披露した。「ネタのために調べ物をしたり動画を見たりできる」(ザ・たっち)、「メールで送られてきた台本をWordで開いて読める」(優木さん)など、移動時間や待ち時間を有効に使えるので芸能人にもスマートフォンは便利と話していた。

Touch Diamondで撮影したネタを披露するザ・たっち。最初会場への音声出力が小さく、同じネタをもう一度再生するよう要求され苦い表情

優木さんはプライベートで撮影した画像を紹介

ザ・たっちのふたりはおすぎさん・ピーコさんの物まねなどを決めて会場を沸かせた

国内全事業者に採用、今後はサービス連携を強化

マイクロソフト執行役常務でコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部長の笹本裕氏は、日本初のWindows Mobile搭載スマートフォン登場となった2005年末の「W-ZERO3」発売以来、国内向けの発表機種は24機種に達したことを紹介。ウィルコム、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルに続き、KDDIからも搭載機種の発売が決まったことで、国内すべての携帯電話・PHS事業者にWindows Mobileが採用されたことになる。

会場には事業者3社を通じてTouch Diamondを販売するHTC Nipponのデビッド・コウ社長も招かれ、これまでユーザーは使いたい機種によって特定の事業者と契約しなければならなかったのに対し、Diamondなどでは複数社から選択することが可能になったとコメント。日本の携帯電話市場にブレイクスルーをもたらしたと強調した。

マイクロソフトの笹本裕執行役常務

HTC Nipponのデビッド・コウ社長

イー・モバイル、ソフトバンク、ドコモ向けの各Touch Diamondが展示された

HTCの日本市場向けWindows Mobile機は全14機種に達した(ShiftはWindows Vista搭載PC)

コンシューマー向けのWindows Mobile事業を統括するマイクロソフトの越川慎司氏

マイクロソフトでは、Windows Mobileを単に携帯電話用OSとして展開するのではなく、Windows VistaやWindows Liveと連携するプラットフォームとして広げていく考え。同社モバイルコミュニケーション本部長の越川慎司氏は、同社の無料オンラインストレージサービス「SkyDrive」を活用するアプリケーションとして、Windows Mobile搭載機器で撮影した画像を簡単な操作でアップロードできるクライアントソフトを現在開発中であることを紹介した。年内に開発を完了する予定で、Touch Diamondなどの機種で利用できるようになる見込み。

携帯機器を利用した画像の送受信・共有は、それ自体は珍しい使い方ではないが、現在はほとんどの場合メールの添付ファイルとして取り扱われている。このためメール用に解像度を落とす必要があるほか、複数のユーザーや機器の間で同一の画像を共有するのには手間がかかった。Windows MobileがSkyDriveに対応すれば、撮影した画像データを無劣化のままアップロードし、公開フォルダで共有したり、Windows Vistaのサイドバーガジェットやその他の機器と連携したりといったことが可能になる。

SkyDriveを活用した画像共有サービスは今年中に開発完了予定

この機能は、東京・調布市にある同社の拠点で開発されている「日本発」のサービスだという。携帯電話の利用形態が著しく進化した日本市場で、モバイルをからめた新しいサービスを先行投入し、これをモデルケースとしてゆくゆくは世界に展開したい考えだ。また、12月にはオフィシャルな開発者向けコミュニティも設置する。Windows Mobile用のソフトはPC向けと同一の環境であるVisual Studioで開発できることから、モバイル向けソフトの制作により幅広い開発者の参加を呼びかけ、日本市場に適したソフトの流通量拡大を目指す。

BBソフトサービスによるソフト流通を今後とも活用していくほか、コミュニティの設置など開発者向けの情報提供もより強化する