最近のWebブラウザでは、タブ機能を基本的にサポートしている。Firefox 3のアドオン「Tab Killer」は、そのタブ機能を無効化するアドオンである。なんでそんなことを?と思う方も少なくないであろう。

このアドオンの作者も「機能拡張」ではなく「機能萎縮」であると述べている。しかし、インターネットの黎明期、Netscape Navigator 4を利用していた頃を彷彿とさせたのは筆者だけであろうか。SDI(Single Document Interface)Webブラウザすら触れたことのない方も少なくないであろう。かつてのネットサーフィンは、こんな環境で行っていたのである。そんな懐かしさを味わいたい方は、試してみてもよいかもしれない。

注意:本稿では、Firefoxのアドオンのインストールを行っていますが、ソフトウェアの利用は使用者の責任で行ってください。

Tab Killerのインストール

まずはインストールである。アドオンのWebサイトから、[Firefoxへインストール]ボタンをクリックしよう(図1)。

図1 Tab Killerのインストール

途中、インストールの許可の確認がでるが、[今すぐインストール]を選択する。ダウンロードが終わり、インストールを完了させるためには、図2のように再起動が促される。

図2 インストールすると再起動を促される

再起動をすると、Tab Killerがすべてのタブを利用不可とする。

Tab Killerを使ってみる

さて、まずはメニューであるが、[ファイル]メニューから、見事に[新しいタブ]がなくなっている(図3)。

図3 ファイルメニュー

同様にリンク先を右クリックすると、図4のようになる。

図4 リンク先を右クリック

このようにタブらしい機能はほとんどメニューからも削除されている。唯一、発見したのは、オプションの[タブ]に痕跡が残っていた(図5)。

図5 オプションのタブ

一般的に使われるタブを使う操作であるが、以下のように変更されている。

  • Ctrl+T:新しいウィンドウが開く
  • Ctrl+クリック:新しいウィンドウが開きページが表示される

Tab Killerの作者自身、このアドオンによっていかにタブがWebブラウザにとって重要な役目を担っているかを再認識できるだろうといっている。たしかに、最近登場したGoogle Chromeなどでは、タブの操作・見た目を大きく変化させている。

また、タブ機能を拡張したさまざまアドオンも提供されている。あえて、逆行するような環境であるが、「タブ機能は使いにくい」、「OS標準のウィンドウインタフェースのほうが使いやすい」と思っている方もいるかもしれない。

筆者も最初にタブブラウザを使用したときに、タブを開きすぎて、かえって困惑した経験がある(今では必須と感じているが)。高機能化するWebブラウザについていけない、そんな方にお勧めしたい。逆に、このようにあえて機能を縮退させることも可能なことが、Webブラウザとしての懐の深さではないかと筆者は思う(使わない機能は余計なだけである)。そして、あえてこのようなアドオンを公開した作者にも、個人的にではあるが、賛辞を送りたい。