プラグインの制作過程を確認する
だいたいの感覚が掴めたところで、プラグインの制作過程は確認してみましょう。箇条書きにすると次のようになっています。どの過程も非常にシンプルですので、安心して試してみましょう。
- プラグインのスクリプト(関数"run_process")を作る
- スクリプトをデバッグする
- ATOKに登録するためのインストーラーを作る
- インストールしてテストしてみる
手順(1)スクリプトを作る
スクリプトは、前項で示したひな形を書き換えて作ります。以下は、Perl で作った電卓プラグインです。メモ帳やその他のテキストエディタに以下のようなコードを記述して、eval.pl という名前で保存します。なお、スクリプトは、必ず、文字コードをUTF-8で保存します。Perl や Ruby には、eval() という関数があります。これの引数にプログラムを指定すると、計算してその結果を返してくれますので、これを利用して電卓を作ってみました。
# --- Perl電卓プラグイン ---
package Atok_plugin;
use strict;
use utf8;
# プラグインのメイン関数
sub run_process
{
# --- ユーザーからの入力を得る---(*1)
my ($request_data) = @_;
my $input_str = $request_data->{'composition_string'};
# --- 計算式を計算する---(*2)
my $output_value = eval($input_str);
# --- 計算結果を戻り値として返す---(*3)
my %result_data;
my @candidate_array;
if ($output_value != undef) {
# 入力をそのままセット
push(@candidate_array,{'hyoki'=>$input_str});
# Perlの計算結果をセット
push(@candidate_array,{
'hyoki' => $output_value,
'comment'=> $input_str."→Perl電卓の計算結果"
});
}
$result_data{ 'candidate' } = \@candidate_array;
return( %result_data );
}
1;#←必ず必要
手順(2)スクリプトをデバッグする
スクリプトが完成したら、正しく動くかどうかデバッガで確かめてみましょう。ダウンロードして展開したAPIモジュールの<atok_direct_debugger>
フォルダの中に、ATOK21DSD.EXEという実行ファイルがありますが、これがスクリプトのデバッガとなっています。そして、デバッガと同じフォルダに<plugin>
というフォルダがありますが、この中にデバッグしたいPerl/Rubyのスクリプト「eval.pl」をコピーします。
実際にデバッグを実行するには、ATOK21DSD.EXE を起動して、画面の左上のコンボボックスから、デバッグしたいスクリプトを選択します。そして、表記のテキストボックスに、適当な文字列を入れて、[実行]ボタンを押します。
プログラムがうまく動くと、画面の右上に実行結果がXMLで表示され、エラーがあると右下にエラーの内容が表示されます。