ビジネス利用にも安心のスペック

N10Jは、コストパフォーマンスを求めるコンシューマーユーザーに加えてビジネスユースも想定しており、セキュリティ機能も搭載している。タッチパッド部に搭載された指紋センサーは、Windowsへのログオン時などでより強固なセキュリティを確保している。この辺りはビジネスパーソンに訴求できるポイントだ。

タッチパッド部に設置された指紋センサー

指紋センサー用にソフトウェアとして「Protector Suite」がプリインストールされており、指紋の登録、管理が行える。指紋は10本とも登録でき、指を怪我した場合などに備えて2つ以上の指紋を登録しておくといいだろう。

「Protector Suite」の管理画面

指紋登録画面。10指すべてを登録可能

ポリシーによって細かく設定を変更できる

指紋センサーによるログオンだけに限定することも可能。指紋認証を行う際に、Windowsのログオンパスワードも同時に要求し、より強固な設定にすることもできる

また、登録した指ごとにアプリケーションの起動を設定することもでき、ランチャー代わりに使うこともできる。人さし指にWebブラウザ、中指にメーラーなどといった設定が可能だ。

アプリケーションの登録画面。任意のアプリケーションを登録可能

ほかにも、WebサイトなどのユーザーIDとパスワード入力を自動化してくれる「パスワードバンク」機能も搭載。いったんID・パスワードを登録しておけば、そのサイトにアクセスし、入力画面で(アプリケーションを登録していない)指を使えば、自動で入力してくれる。

ログイン画面で表示されるパスワードバンク

PC利用時にアプリケーションを登録していない指を使って指紋センサーを使うと、小さなコントロール画面が表示され、そこからID・パスワードを登録したサイトを素早く呼び出すこともできる。その際、自動的にログインまで行ってくれて便利だ。

アプリケーションを登録していない指を使って表示される子画面。パスワードバンクの登録済みサイトを表示して、素早くサイトにアクセスするブックマークとしても使える。オンラインバンキングなどのサイトは、ここに登録しておけばセキュリティが向上するだろう

ファイルを暗号化してセキュリティを向上させてくれる「File Safe」「Personal Safe」も利便性が高い機能。File Safeは、ファイルやフォルダの右クリックから暗号化する。Personal Safeは暗号化専用のフォルダを作成し、保存したファイルを自動で暗号化してくれる。いずれも暗号化解除には指紋かあらかじめ登録したパスワードが利用できる。

ファイル暗号化の2つの機能も提供。フォルダに入れるだけというPersonal Safeは便利

セキュリティだけでなく利便性も追求されており、使い勝手の良い指紋センサーとなっている。

もう1つのセキュリティ機能が「SmartLogon」。液晶上部に搭載されたカメラを使って顔写真を撮り、その顔をに認識してWindowsへのログオンを行うという機能だ。ログオン時にカメラに顔を向けるだけでユーザーを認識してログオンしてくれるというのはちょっと未来的で面白い。認識精度は問題ない印象だが、指紋認証の方がスピーディにログオンできているような気がする。

いずれにしても、Windowsのログオンパスワードを簡単に破られないような難しいものにして、自分でログオンする場合は指紋か顔を使えばより安全性が向上するだろう。