東芝は9日、冷凍冷蔵庫「プラチナ潤い鮮蔵庫 まるごと鮮度名人 クールイン1スタイル」シリーズの「GR-A56R」(定格内容積556L)、「GR-A51R」(定格内容積511L)、「GR-A48R」(定格内容積483L)を発表した。発売は12月1日で、価格はオープン。推定市場価格は、GR-A56Rが28万円前後、GR-A51Rが26万円前後、GR-A48Rが24万円前後。

食材を無駄にしないエコを目指した「プラチナ潤い鮮蔵庫 まるごと鮮度名人 クールイン1スタイル」シリーズ

新モデルは、従来の省電力によるエコだけでなく、食材を無駄にしないというエコも追求した製品。食品が無駄になる原因として、冷蔵庫に保存することによる食材の乾燥、温度変化による劣化、雑菌の繁殖や他の食材からのニオイ移り、エチレンガスによる野菜の劣化などが挙げられる。さらに冷蔵庫の大型化によって、食材の使い忘れというケースも増えつつあるという。

今回発表されたモデルでは、上から、冷蔵室、製氷室/熱もの冷凍室、冷凍室というように、上側が比較的高い温度、下側が比較的低い温度という構成を採用している。この2つの温度帯にあわせて、2器の冷却器を用意するというのが、独自の「i-ツイン冷却」(コンプレッサーは1台を共用)。冷蔵室用に独立した冷却器を配置することで、冷蔵室内の温度変化が、±0.4℃前後に抑えられている(冷却器が1器の場合では、±2℃前後の変化がある)。また、冷蔵庫側の冷却器に付着した霜を解かした水分を、冷蔵室側に戻すことで庫内の湿度を85%以上にキープする。なお、冷蔵庫側の冷却器は、1時間に1回程度、自動的に霜取りが行われる。さらに、一般的な冷蔵庫のような冷気の吹き出し口を設けず、庫内の奥のパネル周囲から冷気を回り込ませる構造となっており、食材に直接冷気が触れることはない。これらによって、食品の乾燥と温度変化による劣化を防ぎ、鮮度を保つという。

エチレンガスやニオイへの対策としては、オゾンとヒドロキシラジカル、紫外線に、ナノフォト触媒とプラチナオゾン触媒を組み合わせた「プラチナプラスユニット」を搭載。庫内で発生したエチレンガスを吸収する。さらにユニット内でエチレンガスやニオイ成分の分解まで行うため、一般的なフィルターを使用しているものとは異なり、メンテナンスフリーとなっている。

また、食材の使い忘れに対しては、野菜室を冷蔵室内に設ける「まるごと鮮蔵室」を採用し、見渡しやすく取り出しやすい庫内を実現。さらに、冷凍室では、3段に分割された冷凍室ケースなどが採用されている。

省電力面では、背面と天面の2箇所に放熱用のコンデンサーを配置することで、放熱の効率をアップ。また、庫内容量の更なるアップや省エネ性能の追求のため、従来のウレタン断熱材に加えて、高効率真空断熱材も採用した。これらにより、定格内容積511LのGR-A51Rでの年間消費電力量は、380kWh/年。昨年モデルのGR-W50FTの520kWh/年に比べて約30%削減された。

会場内に、保存された食品のサンプルが展示されていたが、ここにも食材を捨てないエコが

冷却器を、冷蔵室と冷凍室それぞれに用意するi-ツイン冷却

冷蔵室の最下段に設けられた野菜室「まるごと鮮蔵室」

冷蔵室の奥とサイドのパネル間に設けられた隙間から、冷気が庫内に回り込む

熱もの冷凍では、炊きたてのご飯の冷凍もできる

冷凍庫は、収納性の高いスライド式の3段構成