ルネサス テクノロジは25日、中国市場向け車載半導体事業の拡大のために、中国の自動車メーカー向けのサポート体制の拡充を発表した。これにより、中国における同社の販売代理店である上海友菱電子が吉林省長春市に販売・技術サポート拠点を開設、従来からの7拠点と併せ、中国第一汽車集団を始めとする中国の自動車メーカーに顧客密着型の販売・技術サポートを提供するという。

長春市は、前述の第一汽車の本社があるなど、自動車関連産業が集積している。ルネサスは2007年6月より同市政府によるITSインフラストラクチャ構築計画に参画しており、カーナビゲーションシステム向けSoC「SH7770」などがITS端末に試用されるなど実績を持つ。

長春市では、2013年の市内全域カバーを目標にITSインフラ構築が進められており、ルネサスでは第一汽車のグループ会社である啓明信息技術をパートナー企業として、ITS端末用のSoCや次世代ネットワーク通信技術「WAVE」の提供を行い、長春市政府とともにリアルタイムの交通情報を扱うITSインフラの実験を行うとしている。

ルネサスでは、友菱電子が設立した長春支店を自社専門の販売代理店として活用することで、長春の自動車産業の発展に貢献していくとしており、同体制により中国自動車メーカーへの拡販を進め、中国市場における車載半導体シェアを現在の約5%から2010年度には10%に成長させるとしている。