グラフィックス性能比較

続いてグラフィックス関連のテストに移る。グラフ10・11は3DMark06のOverallの結果だ。高画質オプションがオフのグラフ10、オンのグラフ11ともに、おおよそ平行した状態でLFBを有効としたAMD 790GX>UMAのみのAMD 790GX>AMD 780Gという順である。AMD 780GをベースとしてLFBを有効としたAMD 790GXの伸び率はおよそ25%前後となる。公称の30%には届いていないが、クロック引き上げとLFBだけでこれだけ向上するならば十分と言えるだろう。

グラフ12はDirectX 9タイトルのF.E.A.R.(オプション:Medium)、グラフ13はF.E.A.R.の解像度を1024×768ドットに固定し、各画質/エフェクトオプションを変化させた際の平均FPSを計測したものだ。こちらでもAMD 790GX+LFBのスコアがかなり伸びている点が確認できる。グラフ14はCrysisのオプションをDirectX 10、mediumに設定した状態のテストだ。ゲームを快適に、という感覚とはほど遠いが、30fpsをひとつの境としてみると、AMD 780Gでは800×600ドットでしか達成できなかったところ、AMD 790GXではひとつ上の解像度でもこれを超えることができる。また、ここまでの3D性能、システム性能を見ていくと、LFBが搭載されているならばこれを有効としない手は無い、と言えるだろう。

消費電力は?

ここで、これまで比較してきたIGPを用いたシステムで、消費電力の比較をしておこう。このグラフ15では、まずAMD 790GXのLFBを使うか使わないかの違いに着目してみよう。アイドル時の93Wか92Wかという点は誤差と言えるだろうし、Sandraや3DMarkに関しても誤差の範囲と言えそうだ。Crysisの際の6Wの違いは、比較的大きく現われたものだが、それでもそれほど大きな差とは言えない。効果を考えればLFBを有効にしておいても良いのではないだろうか。

ただし、このグラフ15でAMD 790GXとAMD 780Gとを比較する際は注意して見てほしい。チップセット的に見れば、AMD 790GXはAMD 780Gの改良版であり、GPUコアの高クロック化や拡張スロットの数などでむしろAMD 790GXの方が消費電力が増大しているはずである。それでもAMD 780Gよりも低消費電力という結果が出たことは、これはマザーボード設計によるものと考えた方が良い。コンフィギュレーションによってはAMD 780Gよりも省電力になることもあり得るという程度の認識にとどめて頂きたい。