それでは、今回の比較環境について説明したい。

比較対象はC7とAtom

今回、VIAから提供されたのは、Mini-ITXマザーボード「EPIA SN」のCPU(C7)をNanoに換装したもの。あくまでテストボードであり、Nano版のEPIA SNが発売されるわけではないのだが、このように簡単にCPUだけ換装できるというのは、ピン互換があるNanoならではと言えるだろう。ボードには最高速モデルの「L2100」(1.8GHz)が搭載されていた。

今回使用したNanoのテストボード。CPU以外は「EPIA SN」と同じ

左がテストボード、右がEPIA SN。なぜかCPUクーラーも異なっていた

比較対象としては、同クロック(1.8GHz)のC7を搭載した「EPIA SN18000G」を用意した。動作クロックが一緒なので、アーキテクチャの違いによるパフォーマンスの向上が分かりやすい。また消費電力はシステム全体で計測するしかないので、通常はCPUのみの比較は難しいのだが、この場合はCPU以外の構成は全く一緒なので、CPUの消費電力の違いが明確に出るだろう。

比較対象としてはもう1つ、IntelのAtomも用意した。Nettop/Netbookが注目される今、これは外せないだろう。VIA関係者もAtomへの対抗意識は強いようで、取材のたびに「Nanoの方が早い」と聞かされていた。ぜひとも本当かどうか確かめたいところだ。プラットフォームとしては、Atom 230(1.6GHz)を搭載するMini-ITXマザーボード「D945GCLF」を選んだ。

Atom 230を搭載する「D945GCLF」。じつは某編集者の私物だったりする

参考までに、CPU-Zの画面を以下に示す。

NanoはSSSE3までの拡張命令をサポート

こちらはC7。動作クロックはNanoに揃えた

AtomはHyper-Threadingもサポートする

システム構成

比較に用いるシステムの構成は以下の通り。EPIA SNはメモリスロットが2本あるのだが、D945GCLFに揃えて、メモリは1枚のみの使用とした。

比較環境
マザーボード EPIA SN EPIA SN D945GCLF
CPU Nano L2100 C7 Atom 230
動作クロック 1.8GHz 1.8GHz 1.6GHz
FSB 800MHz 800MHz 533MHz
チップセット CN896+VT8251 CN896+VT8251 945GC+ICH7
グラフィックコア Chrome9 HC Chrome9 HC GMA 950
メモリ DDR2-800 1GB
HDD Western Digital Caviar SE16 500GB SATA
OS Windows Vista Ultimate

NanoとC7は同じマザーボードなのだが、NanoのEPIA SNにはVIAから提供された最新のチップセットドライバを適用したことは予めお断りしておきたい。ただ、同じく提供されたVGAドライバについては、なぜかWindows VistaのAeroが有効にならなかったので、これについてはC7のEPIA SNと同様、製品付属のドライバをインストールした。

参考までに、各システムのエクスペリエンス・インデックス画面を以下に添付しておく。

Nano搭載のEPIA SN

C7搭載のEPIA SN

Atom搭載のD945GCLF