文字を表示する

次に、コンソールに文字を表示するプログラムを書いて、ソースファイルに書かれたコードが正しくコンパイルされ、実行可能ファイルに反映されているかどうかを確認してみましょう。次のコードをコピーして、先ほどと同じ方法でビルドし、実行してください。「デバッグ開始」で実行するとコンソールがすぐに閉じられてしまうため、「デバッグなしで開始」を選択するとよいでしょう。

Sample02

#include<stdio.h>

int main(void) {
    printf("Programming For you!\n");
    return 0;
}

実行結果

Programming For you!

上記のコードは、コンソール上にProgramming For you!というテキストを表示するプログラムです(「デバッグ開始」で実行の場合、コマンドプロンプトに一瞬表示されて、閉じられる)。コードの詳細については、次回にご説明します。この場では、printfと書かれている行の二重引用符"に囲まれている部分が表示されることを理解してください。二重引用符の中は表示するテキストなので、自由に書き換えることができます。実行するシステムが日本語に対応していれば、日本語も正しく表示されます。

実際には、コンピュータにprintfという命令があるわけではありません。コンソールやプリンタのような、実行システムがサポートしている何らかの出力装置にテキストを表示するには、システムとの対話が必要になります。しかし、アプリケーションが個別にシステムと通信するのであっては効率が悪く、開発者の負担も膨大なものになってしまいます。そこで、多くのプログラムで必要になるであろう基礎的な機能は、あらかじめ用意されている部品を再利用することで簡単に実現できます。この、用意されているプログラム的な部品をライブラリと呼びます。

国際標準ではC言語の文法に加えて、ライブラリについても定めています。ここで定められているライブラリは、標準ライブラリと呼ばれ、標準に準拠している開発ツールであれば必ず対応しています。printfもまた、C言語で定められている機能の1つなので、どの開発環境でも利用することができます。この他にも、ファイルの読み書きや計算処理、時間など、プログラミングに必要な基本的な機能が標準ライブラリで提供されています。

最後に

第1回目となった今回はC言語の文法はさておいて、開発環境となるVisual C++ 2008 Express Editionのインストールから、プログラムの開発方法、ビルド、実行テストなどの基本的な開発手順をご説明させていただきました。ほんの数年前までは、こうしたビジュアルな開発環境はプロフェッショナルが使う高価な製品だったのですが、それも今は昔、誰もがインターネットからダウンロードして利用できるようになりました。せっかく無料で使えるのですから、使わない手はありません。

ちなみに、Visual C++ 2008 Express Editionで作ったアプリケーションは、自由に配布することができます。もちろん、販売することも可能なのでVisual C++ 2008 Express Editionからプログラミングを始めて、そのままビジネスで実用していくことも可能です。

さて、次回からはC言語の文法について解説いたします。C言語プログラミングには興味がある方は、今後もお付き合いいただければ幸いです。