新たな省電力CPUの登場などもあり、製品発表が各社から相次いでいる低価格ミニノート。DIYユーザーにはお馴染みのMSIからも、「Wind Notebook」というブランドで同ジャンルへの製品投入が開始されることが明らかになった。そのWind Notebookから、10型液晶を搭載する「Wind Notebook U100」を拝借できたため、使い勝手や性能などを試してみたいと思う。

「Wind Notebook U100」

まずは周辺情報から。そもそも、最近の低価格ミニノートで最も気になる"国内で購入可能なのかどうか"についてだが、エムエスアイコンピュータジャパンによれば、6月末から7月上旬を目処に国内店舗での販売を開始する予定だとか。販売価格はまだ明確ではないものの、おそらくは「Eee PC」などを意識した低価格が実現するものと考えられる。詳細は追って発表されるだろうが、"絶賛発売中の海外市場を羨む"といった状況は回避できそうなので、ひとまずはご安心いただきたい。

このジャンルの製品では大き目の10型液晶を搭載するが、それでもコンパクトサイズであることは変わらない

右側面のインタフェース類。カードリーダはこちら側

左側面には排気用のスリット。動作音は非常に静かだ

フロントとリア。薄さもなかなかのものだ。写真は3セルの標準バッテリを装着した状態

基本仕様をまとめておこう。OSはWindows XP Home Editionの日本語版である。CPUは45nmベースのIntel Atomで、今回試したU100では、開発コード名「Diamondville」で知られHyper-Threadingをサポートする「Intel Atom N270」(動作周波数1.60GHz L2キャッシュ512KB TDP2.5W)を搭載しており、チップセットはグラフィックス統合型のIntel 945GSE+ICH7M。メモリは1GB(最大2GB)のDDR2 667MHzを装備している。ストレージには2.5インチのSATA HDDを採用しており、そのため容量も80GBとSSD搭載機に比べ余裕がある。

サイズがイメージしやすいように、手元にあったB5ノート「ThinkPad X60(+大容量バッテリ)」と比べてみた

明るく省電力なLEDバックライトを内蔵する液晶ディスプレイ部。先に述べたように10インチワイドサイズとなっており、既存のミニノートで多い8.9インチワイドに比べると一回り大きく視認性が高い。解像度は1,024×600ドットで、欲をいえば縦がもうちょっとあると嬉しかった。本体サイズは260(W)×180(D)×19~31.5(H)mmで、重量は3セルの標準バッテリ装着時で約1kg。バッテリは大容量の6セルタイプもオプションで用意されていて、バッテリ持続時間は3セル装着時でおよそ4時間、6セル装着時なら7時間以上とされている。

底面。バッテリパックは後方に装着する

ワイヤレス周りは無線LANにIEEE 802.11b/g、ほかBluetooth V2.0EDRも内蔵。インタフェース類はD-sub×1、USB2.0×3、オーディオIn/Outなど一通り揃えており、4 in 1(SD/MMC/MS/MS Pro)のメモリカードリーダスロットも備える。本体には1.3M Webカメラや、HD Audio対応のステレオスピーカなども搭載するので、一般的な用途でなら機能不足になることは少ないだろう。

Webカメラはディスプレイ上部。その右にはMIC

パームレストの右下あたりに各種インジケータが並ぶ

さて、ミニノートながら「フルサイズの打ちやすい」と同社がアピールしているのがキーボード部だ。ちなみに、国内向け製品ということで、既に日本語キーボードをしっかり装備していた。気になる打鍵感だが、キーピッチは一般ノート並みの17.5mmを確保しており、特に打ち辛いといった不満は感じられない、というか本体サイズの割には十分実用的だ。タッチパッドも大きめにスペースが割かれている。横幅でいうと大体54mm程度あり、こちらも無理なく使うことができた。

キーボードはピッチを広めにとっており、本体サイズの割りに打ちやすい

タッチパッドも十分な大きさ