三洋電機は10日、緊急地震速報に対応したデジタルコードレス留守番電話を発表した。発売は6月20日を予定しており、価格はオープン。市場価格は、子機が2台付属した「TEL-LANW60」が4万円前後、子機3台が付属した「TEL-LANT60」が5万円前後、増設子機は2万円前後と予想される。
緊急地震速報とは、地震が発生すると、震源に近い場所に設置されている地震計からのデータに基づいて、各地の震度、主要動の到着時刻などを速報するシステム。気象庁により運営されており、2006年8月1日より高度利用者向け、2007年10月1日より一般向けのサービスがスタートした。高度利用者とは、交通機関や工場、エレベーター管理会社などで、高度利用者向けのサービスは、1点以上の観測地のデータをもとに、マグニチュード3.5以上、あるいは震度3以上が予想される場合に、速報が出される。一方、一般向けの場合、2点以上の測定データに基づき、最大の震度が5弱以上と予想される場合に、震度4以上の地域に対して速報が出される。つまり、高度利用者向けのほうが、より小規模な地震でも速報が出されるうえ、大規模な地震の場合でも、測定データが1点でも速報が出されるため、より早く報じられるという。震源地から近い場合など、速報が届くよりも先に、地震の主要動のほうが到達するケースも考えられるため、なるべく早く知らせてもらったほうが、被害を少なくすることが可能だろう。
TEL-LANT60は、業界で初めて、この高度利用向けの緊急地震速報に対応したデジタルコードレス電話。速報は、NTTコミュニケーションズのフレッツ/OCN IPv6網を利用して行われるため、一般の電話回線のほかに、インターネットへの接続環境が必要となる。また、利用にはOCN緊急地震速報の利用を申し込む必要がある。OCN緊急地震速報は、OCN ダイヤルアクセス/OCN モバイルアクセス/OCN ADSL セット/OCN ADSL「フレッツ」/OCN 光「Bフレッツ」/「フレッツ・光プレミアム」/OCN 光 with フレッツ/OCN 光(A)/CoDen 光サービス/バリュープランを利用中の場合に申し込むことが可能だ。なお、利用料金は月額525円。
このほかにも、TEL-LAN60には、地震速報を携帯電話やPCに伝える「緊急地震速報メール通知」機能が搭載される。最大3件までのメールアドレスを登録可能だ。さらに、地震後に、簡単な操作で在宅していた家族が安否を連絡できる「安否確認メール機能」も搭載される。
子機には、「簡易ライト機能」も搭載。子機の「留守」ボタンを2秒以上押し続けると、子機に搭載されたLEDライトが点灯する。LEDライトはフル充電の場合、約10時間点灯可能だ。