NECエレクトロニクスの100%子会社で、ASSPやASICの設計・開発を行うNECマイクロシステムは22日、早稲田大学大学院情報生産システム研究科の後藤研究室と、次世代自動車に搭載される画像処理のソフトウェア要素技術を共同で開発することを発表した。

これにより両者は、NECエレクトロニクスの車載向け画像認識用並列処理プロセッサ「IMAPCAR」を用いた際の、より精度の高い画像認識システムを実現するソフトウェアの要素技術を開発する。

共同研究のテーマは「未来車に搭載される画像処理システム設計技術の研究」としており、2008年4月から2010年3月の期間実施される。具体的には、従来と比べ大量のデータを扱う処理技術をIMAPCAR向けに改良し、データの圧縮・保存・伸長の効率を向上させること、および複数の画像認識技術を効果的に適用し、効率よく画像認識を実現するソフトウェア技術の開発、などにより要素技術の具現化を行う。

NECマイクロシステム 代表取締役社長 中柴洋氏

NECマイクロシステム代表取締役社長の中柴洋氏は。「IMAPCARをベースにさらに効率よくするためのソフトウェアの要素技術を開発することで、自動車の周囲の状況を認識、予測、判断する予防安全システムに応用していく。研究成果を二輪車や車室内乗員位置検知など認識対象の拡張のほか、周辺モニタやブラインドコーナ警報、対向車灯火制御といった応用分野の拡大につなげたい」とした。

なお、IMAPCARは、現在次世代品となる「IMAPCAR2」の開発が進められている。2008年度内のサンプル出荷が予定されており、今回の成果も適用していく予定としている。