こちらのGelsinger氏の基調講演に引き続き、Executive Vice President General Manager, Mobility Group・Dadi Perlmutter氏からは、主にモバイル分野をカバーするスピーチが行われた。

Dadi Perlmutter氏の基調講演では、右の図が示す真ん中あたり、主にモバイル分野をカバーする内容が語られた

Perlmutter氏は、更なるコンピュータのパーソナル化を如何にして実現するのか、とうテーマについて語る。調査によればノートブックの出荷台数は急激な増加傾向にあるとされる。そのことは、ユーザーがコンピュータに、より進んだ"パーソナル化"を求めていることのひとつの表れとも言える。

Gartnerによるノートブックの出荷数量グラフ。度々予測の上方修正が行われるほどの勢いがある

80年代のパーソナルコンピュータは、同じような機能の退屈なベージュ色のパソコンを、皆がデスクに縛られ使っていた。それまでのメインフレームコンピュータなどと比べればマシではあったが、"パーソナル"には未だ遠い存在だったとされる。そして現在の最新のノートブックなどを見ると、コンピュータは可搬性を獲得し、よりスタイリッシュで、それ自体に愛着を持てるほどのパーソナルな機器を目指し進化を続けている。ノートブックの出荷数量は、専門家の予測が度々上方修正されるほど急激に増加しており、パーソナルコンピュータが誕生して以来、コンピュータのパーソナル化は大きな流れとなっているという。Perlmutter氏の今回の基調講演では、Intelがコンピュータの更なるパーソナルを推し進める戦略をとることが明確にされている。

新たなジャンルの製品で市場を開拓

Perlmutter氏は、このパーソナル化を進めるためにはいくつかの課題が存在し、そのひとつが入手性の低さなのだと指摘している。まずは世界中の人々がコンピュータを利用できなければならないと述べる。入手性が高く、しかしシンプルで、使いやすく、容易にインターネットが活用できる十分な性能も確保し、かつ既存機器との互換性も備える……。同社の既存の製品ジャンルではカバーできていなかった、ちょうどMIDとノートブックの中間を埋めるとして位置付けられる「Netbook」、およびそのデスクトップタイプである「Nettop」と呼ばれる新たなジャンルの製品を投入することが発表された。

拡大するニーズの受け皿としてNetbookを投入

NetbookとNettopの特徴

これらの製品は、エマージング市場への展開はもちろん、コンピュータが既に普及している地域のユーザーが、2台目以降のサブマシンとして利用することを想定していることも特徴だ。CPUには45nmプロセス技術で製造される最新のAtomプロセッサ(Diamondville)を搭載し、プラットフォームレベルで低コストを実現できるよう最適化されており、OSはLinuxだけでなくより一般的なWindowsもターゲットとしている。提供は今年の6月頃で、Netbookで250~350ドル、Nettopは300ドル台という低価格を実現するとされる。

左の画像はNettopで採用されるマザーボードの概要。必要な機能を絞り込み、従来の格安製品と比較しても20~25%のローコストを実現している