ウィルコムの音声通話向けPHS「HONEY BEE(WX331K)」(京セラ製)は、名称にもなっている"ミツバチ"のイメージで世界観を統一した、ポップでカラフルな愛らしいデザインとなっている。そのデザインとウィルコムの通話定額サービスにより、若者を中心に親しい人と長電話をするための"2台目ケータイ"として人気を博している。今回は、HONEY BEEを購入してみたので、紹介していこうと思う。

カラーバリエーションは、ホワイト・ブラック・ピンク・イエロー・ブルーの5色

ストレートタイプで、サイズが約42×120×9.9mm、質量が約73gと、最近のワンセグなどを搭載した多機能な機種と比べると非常に小さい。その分、機能はかなり削られている。カメラさえついていないのは、今時の携帯電話やPHSでは珍しいくらいだ。

デザインの特徴としては、シンプルながらも、微妙に持ち上げられている通話ボタン部などに見られる細部のこだわりや、ポップなボディカラーが挙げられる。デザインを担当したのは、京セラ社内のデザイン課に所属している西本圭太氏だという。カラーバリエーションは、ホワイト、ブラック、ピンク、イエロー、ブルーの5色で、どれも単色のカラーリングだ。また、表面の質感もカラーによって変えられており、イエローとブルーがマット仕上げ、他の3色は光沢仕上げになっている。友達同士で違う色を持つといった楽しみもある。

そのほか、京セラ製PHSとしては初めての内蔵アンテナを採用している。携帯電話ではすでにかなり前から内蔵アンテナが当たり前となっているが、デザインを考慮してウィルコムのPHSでも内蔵アンテナが主流となってきている。

画面は、2.0インチでQVGA(240×320ドット)表示が可能な全透過型TFT液晶。最近の機種としては小さな画面だが、十分な情報量を表示できる。また、画面を覆っている素材は、強化ガラスを採用したWX330Kなどとは違いアクリル樹脂製なので、傷ついたりするのが心配な人は保護シートを貼っておいたほうがいいだろう。

ウィルコムの通常音声機種としては「WX320T」(東芝製)に続くアンテナ内蔵機種となる。右上と右下の隅に内蔵アンテナ用の金属パーツが埋め込まれ、ダイバシティアンテナとなっている

裏面にはスピーカーおよび充電用接点、バッテリ(3.7V/700mAh)が配置されている。外装には強化のためにガラス繊維が織り込まれている

左側面には平型イヤホンマイク端子およびMicro-BタイプのUSB端子がある。USB端子はパソコンとのデータ交換だけでなく、充電にも用いることが可能

右側面にはスライド式のロックキー、上部にはストラップ穴および赤外線端子、着信用LEDがある

気になるのは、本体サイズを小さくしたことで、ダイヤルキーなどのボタンも小さくなっている点だ。数字キーは、数字部分がエンボス調に出っ張っており、押しやすいように工夫はされているが、それでも押しづらい。筆者は手が小さいのでなんとかそれなりに操作可能だが、手の大きな人には厳しいだろう。特に、よく利用するクリアキーと終話キーが出っ張りも小さく押しづらいので、これから購入しようという人はよく確かめてほしい。

もうひとつ気になった点は、外部接続端子がMicro-BタイプのUSB端子となっているところだ。従来の機種やデジタルカメラなどで一般的に普及しているのはmini-BタイプのUSB端子であり、国内の携帯電話・PHSとしては、Micro-Bタイプを採用した機種はこれが初となる。規格としてきちんと標準化されたものだが、新しい規格だけに、まだ対応ケーブルなどの製品が出揃っていないのだ。Micro-BタイプのUSBケーブルは1本同梱されているが、自宅と会社で2本ほしいといった人は注意が必要だ。なにより、従来のmini-Bタイプのものが流用できないというのは惜しい。

キーライトは白色LEDでなかなかかっこいい。ただし、操作時を含め常時キーライトを消灯にする設定はできない

micro-BタイプのUSB端子。mini-Bタイプと比べると約6割の薄さとなっているのが特徴だ

充電台台は横置きタイプで各色ともに白いものが同梱されている。かっちりとはまるので、充電台に乗せたまま通話することも可能だ