FCC会長のKevin Martin氏

トレンド転換点が近づくなか、「700MHz帯の周波数オークションが次世代モバイルの世界を切り開くことになる」と訴えるのはFCC(連邦通信委員会)会長のKevin Martin氏だ。「10年前のPCSオークション以来の大きなイベントとなった700MHz帯の周波数オークションでは、多くの新規参入事業者がみられた。これは中小企業が次世代モバイルサービスに参入するためのよい機会になったといえる」と同氏。

「もう1つの重要なポイントはオープン性だ。事業者が獲得した周波数でネットワークを構築し、それを一般開放することで、携帯端末とサービス、アプリケーションの分野で自由なビジネスが創出される。先の700MHzオークションで周波数を獲得したVerizon Wirelessはネットワークのオープン化に同意しており、もう1つの大手であるAT&Tもこうしたオープン性に興味を示している。これが次世代モバイルサービスの新たな潮流を生み出すことになる」(Martin氏)

「多くの興味深い成果が得られた700MHzオークションだが、まだ完了したわけではない。目標の1つとしていた"パブリック・セーフティ"の分野が宙に浮いたままとなっている。現在統一性のない緊急無線に互換性を持たせ、公共事業での安全対策や利便性を向上させる必要がある」とMartin氏は述べ、700MHz帯のさらなる有効活用を模索していく方針を示した。