最後に

HD革命/DISK Mirrorを使えば、HDDクラッシュなどのタイムロスを最小限に押さえることができるだろう。仮に、元のPCを復元させなくてもUSB HDDさえあれば、他のPCに接続すれば、必要なデータを取り出すことができる。また、USB HDDから起動すれば、火急の業務などをこなすこともできる。復元作業も、一般的なバックアップツールよりは使いやすいと思う。しかし、注意も必要である。最近では、USB HDDも2.5インチタイプで、供給電源もUSB側から取るものがある。非常にコンパクトで持ち運びも便利である。重要なデータの場合、逆にそれが欠点になりかねないことも頭に入れておく必要がある。

システムドライブの同期については、任意のタイミングでできるというのは、非常にありがたい機能である。本稿でも紹介したが、RAIDによるミラーリングでは、誤った情報も同期されてしまう。HDD障害のほとんどが、誤操作によるものという報告もある。もっとも起こりやすいのは、アプリケーションのインストールやアンインストールを繰り返しているうちに、OSのシステムに障害が発生するというものだ。

特に似たような機能を持つアプリケーションを複数入れている場合などに発生しやすい。そこで、推奨したいのが、アプリケーションのインストール後に、システムドライブの同期をとるようにするのである。最近のアプリケーションでは、[コントロールパネル]の[プログラムの追加と削除]でアンインストールしても、完全に削除されないものも少なくない(セキュリティ対策ソフトなどでは、Webサイトで完全削除ツールを配布しているところもある)。

アプリケーションは、使ってみないとわからない。インストールしてうまく動作しないこともある。そんなときのために、安定したシステムドライブを保存しておくのである。新しいアプリケーションをインストールした、実用上もシステム上も問題がないことが確認できたら、システムドライブの同期をとるのである。もちろん、うまくいかなようであれば、復元を行うことで、安定した状態に戻すことができるだろう。

このように、システムに変更を加える前に戻せるというのは、無用なトラブルを避ける意味では、効果的といえるだろう。HD革命/DISK Mirror Ver.2は、バックアップの手間をかけたくない、NASなどの導入の予算もあまりない、でも、データなどの安全性を高めたいというユーザーには、手軽に実現できるものといえる。また、同期の一時停止によって、USB HDDの取り外しが可能になったことで、ノートPCでも、これまで以上に安全性を高めることができるだろう。HDDがクラッシュしてからでは、遅いのである。