ソニーは13日、デジタルノイズキャンセリングヘッドホン「MDR-NC500D」を発表した。発売は4月21日で、価格は4万9,350円。ノイズキャンセリング機能のデジタル化は世界初(2008年3月同社調べ)という。
従来、ノイズキャンセリングヘッドホンは、接続されたオーディオ機器などからの信号に、マイクで拾った外部の音と逆位相の音を加えることで、騒音を低減させており、この部分の処理はアナログで行われていた。
ところが、MDR-NC500Dでは、マイクで拾った外部の音をA/Dコンバーターを通してデジタル化。同様にデジタル化されたオーディオ機器などからの信号に加えられた後、D/Aコンバーターによってアナログ化し、外部の騒音をキャンセルするというものだ。従来のアナログ方式に比べて大幅に精度が向上したことで、飛行機、電車、バスなどの中の騒音を、約99%低減させることが可能となった。
なお、同社によると、カットされるのはエンジン音などの連続した騒音で、人の声などはカットされないとのことだ(ただし、道路や駅のホームなどを歩いているときには使用を控えてほしいとのこと)。
また、「AIノイズキャンセリング機能」も搭載。飛行機内、電車/バス内/空調機器やOA機器などの騒音に対応する3種類のノイズキャンセリングモードが用意されており、周囲の騒音の種類によって、自動的に最適なモードに切り替わる。これも、ノイズキャンセリングをデジタル化したからこそ実現できた機能だ。
さらに、従来のノイズキャンセリングヘッドホンで問題となっていた、ノイズキャンセリングヘッドホン特有の音質への悪影響を補正する「デジタルイコライザー」も搭載。通常のノイズキャンセリングヘッドホンは、ノイズキャンセル効果を高めるために、低域を持ち上げた音響特性を持っている。これに対してMDR-NC500Dでは、入力された音楽信号の低域部分を、ヘッドホンの音響特性に合わせて補正することで(入力された音楽信号の低域を抑える)、全域にわたって、フラットな音響特性を実現するという。