--需要の好調ぶりは、このまま持続しますか。

需要の伸びは続いていくことは明らかです。サブプライムローンの問題も認識していますが、それでも、ブラウン管テレビからの置き換え需要が見込まれます。短期的にはスーパーボウルが終わったあとの2月、3月の需要がどうなるかをひとつの目安としたい。そのあとには、オリンピック需要を控えていますが、まだそこまでは頭が回っていません(笑)。

--ハイディフィニション(HD)に対する需要も高まっていますか。

米国人はスポーツ好きで、フィールドのきれいな緑を大画面の鮮明な映像で見ると、もう戻れなくなる(笑)。ここにきて、"HD"という言葉が普通に通じるようになってきましたから、HDに対する認識は高まっています。DVDを購入するならば、もう少しお金を出して、BDを買おうという動きもあります。ソニーは北米で「HDNA」という言葉を使っています。「HDはソニーのDNAである」ということを示したものです。実際、米国で放映されているスポーツ番組におけるHD映像の90%は、ソニーの機器によって制作されています。広告に関する意識調査では、これまでは20 - 25%の人が広告を見たことがあるという認識率ですが、HDNAでは、50%の人が見たことがあると回答しています。ひとつひとつの製品で訴求するのではなく、薄型テレビ、BD、カムコーダー、VAIOという製品の塊として展開していることが、この高い認知率につながっています。

ソニーが展開しているHDNA

--北米市場でいよいよ有機ELを発売することになりましたね。

ラスベガスに当社直営店のソニースタイルがあるのですが、10台用意したところ、初日で2台、2日目の午前中で6台が売れました。好調なスタートが切れたと考えています。有機ELは、ソニーのCEOであるハワード・ストリンガーが、CESで自ら発表した戦略的製品です。米国でも、この戦略的製品をしっかりと販売していきたい。

ラスベガスにあるソニースタイル。有機ELはすぐに完売になった

--Blu-ray Disc(BD)に関しては、売れ行きはどうですか。

12月の2週目で出荷は完了したのですが、クリスマスの週末には完売の状態でした。これもいい結果に終わったといえます。12月第3週には、BDとHD DVDの構成比は2対1になった。プレイステーション3を含めたBDの出荷台数は3倍になっていますし、BD対応機器は累計で400万台に到達しています。今回のワーナープラザーズの発表も追い風となります。ハリウッドから強い支援を得ていることの証であり、記録容量の大きさ、タイトル数の多さといったBDの優位性が明確に打ち出せる。ユーザーにとって、BDが第1の選択肢になったといえるでしょう。2008年は、BDがより強くなると期待しています。

--どの程度の数字が見込めますか。

いや、どれぐらい増えるのかわかりません(笑)。ちなみに、北米におけるBD対応のソフトの累計販売枚数は500万枚に達していますが、100万枚までに10カ月かかったものが、200万枚までには3か月、300万枚には3か月以下、400万枚には2カ月、500万枚には1カ月となっており、このスピードでタイトルが売れています。