WindowsケータイFAN、htc Fan Site、マイクロソフトの共催で19日、ブロガーを対象にしたユーザーイベント「Windows Mobile Bloggers Night -Winter 2007-」が都内で開催された。
2005年末の「W-ZERO3」発売から丸2年が経過したが、2007年は実に9機種のWindows Mobile搭載スマートフォンが発表され、「Windowsケータイ」が市場に根付き始めた年だった。これまでもPDAユーザーを対象にしたWindows CE関連のイベントや、個別のスマートフォン新製品の内覧会などが開催されることはあったが、Windows Mobileスマートフォン全体をテーマにしたユーザーイベントは今回が初の試みとなる。
ビジネスで、クリエイション活動でスマートフォンを使いこなす
アウンコンサルティング代表取締役の信太明氏 |
イベントは2部構成で、第1部ではマイクロソフトと同社が招いたゲストスピーカーによる講演が行われた。最初に登壇したのはアウンコンサルティング代表取締役の信太明氏で、同氏が社内で実践しているWindows Mobileスマートフォン活用法を紹介した。
信太氏は10年ほど前からPalmを業務に利用しており、2003年ごろからはソニーのクリエを使っていたということだが、日本語環境ではソフトウェアのアップデートが事実上終了しているため、新たな端末としてWindows Mobile搭載の「X01HT」(HTC/ソフトバンクモバイル)、グループウェアとしてOutlook/Exchange Serverを採用した。導入したX01HTは15台ほどで、同社の課長職以上に配布している。
どこにいてもExchange Serverと同期が可能なので、社内にいるときと同じ情報にアクセスすることが可能。スケジュール管理はもちろんのこと、社内に対する業務指示はOutlookの「仕事」機能を使用することで常時進捗を把握しているという。また、移動中などに発生する数分の時間でも日報にコメントを返信するなど、従来単に"アイドリング"状態だった時間を有効に使えるようになった。
そして、X01HTは海外ローミングや無線LAN接続にも対応している。信太氏は月に1~2回の頻度で海外出張に出かけるが、GSM方式の現地携帯電話網や公衆無線LANを利用することで、上記のようなWindows Mobileデバイスを利用した業務・情報管理は海外へ出かけたときでも全く同じように行えるという。
「連絡先」はPCから入力しているが、携帯電話の名刺リーダー機能で読み込んでおいたものをまとめて転送することもあるという。「メモ」には会食用のレストランリストなど常時200から300くらいの項目が並んでいる |
同社はPCベースの電子決済システムを導入しているが、現在はWindows Mobileからそれにアクセスすることができない。そのため、信太氏の決済が必要な案件だけは、同氏が会社のPCの前にいないと進まないことになるが、今後はこのシステムもWindows Mobileに対応させ、世界中どこにいても決済が行えるようにしたいとしている。
シンガーソングライターの永山マキさん。ボーカルを務めるバンドのモダーン今夜が来年2月に4枚目のアルバム「天気の存在する理由」を発売する |
続いて、CMソングやテレビ番組のテーマ曲などを多数作曲しているシンガーソングライターの永山マキさんが招かれた。永山さんは音声通話定額をきっかけにウィルコムのPHSを学生のころから使っていたといい、初代「W-ZERO3」(シャープ)からスマートフォンを使い始め、この夏からは後継機種の「Advanced/W-ZERO3 [es]」を使用中というベテランユーザーだ。
楽譜や歌詞を持ち歩くのに重宝しているといい、Advanced/W-ZERO3 [es]の中にはPDF化された楽譜や、書きかけや書き貯めた歌詞がぎっしり詰まっている。バーで弾き語りをするようなこともあり、久しぶりに演奏する曲でコード進行が思い出せないときなど、演奏前に楽譜を呼び出して確認するといった使い方をしているという。
以前は楽譜を収録した紙のファイルだけで大荷物になっていたというが、今はPDFにしてどこにでも持ち歩くことができる。このAdvanced/W-ZERO3 [es]は永山さんがまさに日常的に使っているもので、イベントの最中にも電話が着信していた |
また、画面はノートPCのほうが大きいが、永山さんの場合、電車の中で立っているときにも使えるなど場所を選ばないスマートフォンのほうがメリットが大きく、どこにいるときでもアイデアをすぐに書き留められて、気軽にストックできるのが嬉しいと話していた。