イベントの第2部では、ファンコミュニティ「WindowsケータイFAN」の招待により、モバイル機器の情報提供および関連商品のWeb販売を行うサイト「pocketgames」を運営する、ポケットシステムズ代表の平野浩司氏が登壇し、Windowsケータイのアクセサリー開発について講演した。

11月に秋葉原で開催されたイベントに続き、第2部の司会を務めたWindowsケータイFANのKATSUOさん(左)と秋葉原案内所のマスダさん

ポケットシステムズ代表の平野浩司氏

pocketgamesでは、Windowsケータイを始めとする国内外のモバイル機器に対応した専用アクセサリーが多数販売されており、周辺機器のメーカーやショップのように見えるが、元々はモバイル機器で動作するゲームソフトのニュースやレビューを発信する情報サイトだったという。その中で、「海外で発売された製品を使ってみたい」といったサイト読者の声に応えるうちに、いつの間にか輸入販売やオリジナル商品の企画を行うショップ部門ができてしまったのだという。

平野氏は「今日は『アクセサリー開発はこんなに大変だ』という内容を話してほしいということだったが、大変だと思ったことはまったくない」と話すが、pocketgamesで取り扱う商品のほとんどは海外のメーカーで製造されており、日本でしか販売されていないスマートフォンにぴったり適合するアクセサリーを開発するのは容易ではない。例えば、アクセサリーを取り付けるとそれが干渉して機器のカバーが閉まらなくなるような場合、別途フタも専用のものを開発しなければならない。特に日本のモバイル機器とそのユーザーは形状だけでなくカラーリングにもこだわりがあり、きちんとしたものを作るために海外のアクセサリーメーカーまで実機を持ち込むこともあるという。

商品企画時のコンセプトは「ブロガーの皆さんの要望と"悪ノリ"」だといい、中には、居酒屋で開催中のユーザーミーティングの参加者から「暗くてきれいな写真が撮れないからライトがほしい」との電話が入ったことで開発されたポケットライトのようなものもある。平野氏は「だからといって何でも商品化するとはご理解いただかないようにお願いします」とクギを刺したが、ユーザーの要望がベースになることは変わらないとし、今後もおもしろい情報と商品の提供をしていきたいと述べていた。

この日紹介された、ユーザーの要望によって生まれた/生まれるかもしれない製品の一部

htc Fan Site代表のkzouさん

この日のイベントの最後には、「htc Fan Site」のkzouさんから、同サイトで投票が行われた「Windows Mobile アプリ of the Yaer」のトップ10が発表された。これは、同サイトでのレビュー記事参照数、「Windows CE FAN」からのダウンロード数、検索キーワード数などによってノミネートされた、2007年に話題となったWindows Mobile用ソフト34本から投票によってベストを選んだもので、トップ10の順位は以下の通りとなった。

順位 ソフト名
1 Offisnail Date for WM5/6
2 TCPMP
3 WlTASK
4 モバイル Google マップ
5 さいすけ2007
5 GSFinder(シリーズ)
7 MZ3.i
8 Pocketの手
9 PQz
10 Pocket Informant 2007

人気トップとなった「Offisnail Date for WM5/6」と作者のOffisnailさん

第2位の「TCPMP」。Windows Mobile用メディアプレイヤーソフトの定番

第3位のタスク管理ソフト「WkTASK」。アプリケーションの切り替えや終了を簡単に行える

人気トップとなった「Offisnail Date for WM5/6」はスケジュール管理ソフトで、見やすく簡単な操作で予定の編集ができるユーザーインタフェースと、ストレスなく使えるレスポンスの良さが特徴。作者のOffisnailさんによると、ユーザーのアイデアを取り入れながらおよそ2年をかけて成長してきたソフトだという。このソフトは電話機能のないWindows Mobile機でも動作するが、スマートフォンの普及が進んでいるので「来年はネットワーク機能を活かしたアプリケーションでチャレンジしたいと思う」と話し、次回作への意気込みを見せていた。

「Windowsケータイ」というくくりでは今回が初のブロガー招待イベントだったが、2007年はEM・ONE、Advanced/W-ZERO3 [es]、X02HTの発売前にそれぞれブロガー向け内覧会が行われたほか、スマートフォンをテーマにしたセミナーなども数多く開催されている。マイクロソフトでは今後のスマートフォンの需要について、国内の携帯電話・PHS全契約数のおよそ1割まで伸びると見込んでいるが、ユーザー自らの手によるソフトウェアの開発やユニークな使い方の発見がさらに進めば、そこに到達するまでの時間はより短くなるものと考えられる。