CMC新人賞は異例の2組(本来は1組)。おがたキーボード教室所属の斉藤比呂志さんと、高根台カルチャーセンター所属の田財雅治君が受賞した。斉藤さんは以前から弾きたいと考えていた『シルクロード』を情感たっぷりに演奏し、田財君は『どんぐりころころ』『とんぼのめがね』などの童謡を元気いっぱいに弾きこなした。

おがたキーボード教室所属の斉藤比呂志さん

高根台カルチャーセンター所属の田財雅治君

続いて、CMC特別賞は浅草橋キーボードクラブの皆さんと、2006年度のCMC大賞を受賞したペアーレ倉敷の皆さん、準CMC大賞は『北国の春』を演奏した佐藤達男さん。そして、栄えあるCMC大賞を受賞したのは『踊りあかそう』のNHK文化センター八王子教室 ピースグループの皆さんだった。大賞を受賞したNHK文化センター八王子教室 ピースグループは初参加。「新人賞を狙っていたんですが、まさか大賞をいただけるとは」と驚きを隠せない。しかし、息の合った演奏はもちろんのこと、最後に電子キーボードに合わせて美声を披露するパフォーマンスにおいても、来場者の誰もがCMC大賞をとって納得するチームであったことは確かである。指導にあたった講師の渡邊直美さんは「チームの方々は明るくて個性的な方が多く、それぞれの個性がバランスよく組み合わせられた演奏になりました」と笑顔を見せていた。

ペアーレ倉敷の皆さん

浅草橋キーボードクラブの皆さん

佐藤達男さん

NHK文化センター八王子教室 ピースグループの皆さん

ミュージックトレード編集部の森春潮氏

全体の総評について審査員を務めたミュージックトレード編集部の森春潮氏は「CMCフェスティバルでは、2006年より男性の参加者が増えてきています。特に男性は、個人で参加するケースが多いのが特徴といえるでしょう。2007年も男性の個人参加は多かったですね。また結果については議論が紛糾しました。演奏やアレンジなどを総合するとどのチームも僅差の争いでしたが、CMC大賞については受賞して来場者が納得するチームということで、NHK文化センター八王子教室 ピースグループを選びました」と語った。

フェスティバルにエントリーしていない一般観衆の立場からすると、CMCフェスティバルは14時開演、18時終了の"長丁場"だ。しかし、「CMCフェスティバル2007」を通しての感想は「これならいくらでも聞ける」であった。まず、個人個人の電子キーボードの演奏が非常に面白い。もちろん、あくまで素人の発表の場だ。音がずれたり、リズムがうまく合わないこともある。しかし、彼らが奏でる演奏は「音楽を純粋に楽しみたい」という喜びに溢れていた。たとえ失敗してしまっても、演奏を引き立てるスパイスのように感じた。そしてパフォーマンス。曲の終盤で男性が立ち上がり、玩具のピストルで撃つマネをしたり、揃いの洋服に身を包んだり……。観る者を楽しませようという参加者の想いに後押しされるかのように、(次はどんな演奏なんだろう)(何が飛び出すのだろう)(どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろう)というワクワク感が最後まで絶えることはなかった。

「CMCフェスティバル2007」は終了してしまったが、電子キーボードを練習している人も、これからという人も是非来年のCMCフェスティバルを見に行ってほしい。入場料も無料というのも魅力的だ。そして、音楽を奏でる喜びに素直に耳を傾けてみてはいかがだろうか。