実用性と遊び心を両立させたテレビ

遊び心満載なのが「ツール」アイコンだ。ツール集として「読むTV」「TVの旅」「TVやん」「メモ」「ツボTV」「G&W」の6種類が用意されている。

「ツール集」のメイン画面

「読むTV」は、普段は上画面下部に表示される字幕が、下画面全体を使って表示されるというもの。しかも字幕を過去にさかのぼって読むこともできるので、文字どおり、テレビを「読む」ことができる。「TVの旅」は、チャンネル設定でDSのある場所が分かるので、それを記録しておき、どの都道府県でテレビを見たかが分かるというものだ。

「読むTV」

「TVの旅」

「TVやん」は、下画面にたくさんの人(?)が現れ、テレビ視聴中に好き勝手に動き回って、時たま何かをつぶやく、というもの。何があるというわけではないが、説明書には「テレビを一緒に見てくれる仲間たちです。」と紹介されている。「メモ」は、下画面を使ってメモを書き込めるというもので、テレビに表示された情報を書き留めたいときに利用する。映像を一時停止して書くこともできるので、おいしそうな店や泊まりたい旅館、作りたいレシピなど、いろいろなシーンで重宝しそうだ。ただ、DSテレビには録画機能はないので、一時停止を解除した後は番組が一気に進んでしまう。

ちょっと謎な「TVやん」

手書きの「メモ」

個人的にお気に入りは「ツボTV」。日本鍼灸師会監修による疲れ目や頭痛、眠気、イライラなどに効くツボを教えてくれる。テレビを見ながら気分一新できるというわけだ。

「ツボTV」

一番の遊び心といえば「G&W」。あのゲーム&ウォッチ(いわゆるゲームウオッチ)の復刻版だ。十字キーで操作できる単純なゲームだが、年代的に遊びまくっていた筆者は、思わず夢中になってしまった。デフォルトで入っていたのは「FIRE」のみだが、説明書によれば「DSテレビの扱い方によって徐々に増えていきます。」ということだ。

「FIRE」

「G&W」の初期画面。次第にこれがゲームで埋まっていく、のだと思われる

まとめ

ワンセグは、ちょっとした空き時間の時間つぶしに、出先での情報収集に、欠かさず見ている番組を見逃さないためにと、けっこういろいろなシーンで使える機能だ。携帯電話もデータ通信との親和性が高くて使いやすいが、通話やメール、Webサイトの閲覧、おサイフケータイなどと電池残量が気になることが多く、存分にワンセグを使い切れない人もいるのではないだろうか。DSテレビは、ニンテンドーDSで約3時間30分、ニンテンドーDS Liteでは最低輝度で約5時間、最高輝度で約3時間30分(いずれも省エネモード時)という連続視聴時間を確保。実際に試したところ、ちょうど連続視聴4時間(ニンテンドーDS Lite・高輝度・省エネモード)という、ほぼスペックどおりの結果が得られた。

外部アンテナが付属するというのも面白いところで、どれだけ感度が向上するかは未知数だが、自宅でだけ使うという用途もアリだろう。別売りでマグネットスタンドも用意されているので、冷蔵庫などに貼り付けて料理をしながら視聴……なんてこともできる。

録画ができない、EPGが使えない、データ放送が見られない、テレビ画面の解像度が256×192しかないといった問題はあるが、使い方は簡単だし、受信感度も悪くない。遊び心をふんだんに盛り込んでいるのも好感が持てる。今回テストした結果、"DSテレビは意外に使える"というのが率直な感想である。