いよいよ、というかやっとというか、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS/DS Lite」用のワンセグチューナー「ワンセグ受信アダプタ DSテレビ」が11月20日に発売される。もともとは昨年2月に公開されていたが、ようやくの発売となったわけだ。同製品は、任天堂の直販サイトのみでの販売で、価格は6,800円となっている。それではさっそく、DSテレビをチェックしてみよう。

折りたたむとコンパクトに収納できるDSテレビ

受信感度に優れたコンパクトなワンセグチューナー

ワンセグの解説は今さらという感もあるが、携帯電話業界の話を聞くと、まだよく知らない人も多いらしいので、一応説明しておこう。ワンセグは地上デジタル放送、いわゆる地デジの一種。地デジは、今テレビCMでも流れているとおり、これまでのアナログ放送に取って代わってテレビを放映する仕組みだ。2011年にはアナログ放送が終わり、地デジのみとなる予定なので、古いテレビ(チューナー)などは基本的に使えなくなってしまう。

地デジは1つのチャンネルにつき13個のセグメントに分割されている。地デジのハイビジョン映像は、そのうちの12セグメントを使えば足りる。残りの1つのセグメントを使って携帯端末向けにテレビ放送を配信するのがワンセグ(1セグ)なのである。逆に通常のテレビ向け地デジは12セグと呼ばれることもある。

ワンセグは1セグメントしか使わないため、12セグの地デジのような高画質な映像は見られない。地デジ(12セグ)の解像度が最大1920×1080ドットであるのに対し、ワンセグは320×240(320×180)ドットにすぎない。とはいえ、デジタル放送ゆえに移動時でもクリアな映像が楽しめるので、モバイルには特に最適な方式となっている。

さて、前置きが長くなったが、今回のDSテレビである。

DSテレビは、ワンセグ放送を受信してニンテンドーDSの上画面にテレビ映像、下画面にチャンネルや各種設定画面などの表示を行うアイテムだ。DS背面にあるDSカード挿入口に端末を挿入し、アンテナを伸ばすだけで簡単に視聴できる。

DSの背面に挿入する

アンテナは2本をY字に伸ばす

携帯にワンセグチューナーが内蔵され、ノートPC向けではUSBメモリクラスの大きさの小型チューナーが登場している昨今、DSテレビのサイズはやや大きめ。ただ、その分、受信感度は高い印象で、筆者の自宅においては、ワンセグケータイによる受信が難しい場所でもきれいに受信できた。

試したのはauの携帯電話「W52T」、イー・モバイルの「EM・ONE」、そしてDSテレビだ。厳密な比較ではないが、少なくとも今回のテストで一番感度が良いと感じられたのがDSテレビ、次いでEM・ONE、最後にW52Tだった。アンテナが2本あることが、DSテレビの受信感度が良い大きな要因と思われる。

DSテレビ本体はうまく折りたたんで収納できるので、挿入しっぱなしでも比較的持ち歩きは容易だ。DSテレビが携帯やEM・ONEに比べて優れているのは、ノートPCのように画面を開いておけること。画面の角度が変えられるので、机に置いた状態でも非常に見やすい。折りたたみ型の携帯電話でも同様のことはいえるが、携帯の画面が、一部の機種を除いて、縦長であるのに対し、DSテレビは横長であるというのも見逃せないところ。いずれにしてもDSテレビのほうが断然見やすいのだ。