11月7日より2日間に渡り、東京国際フォーラムにてサン・マイクロシステムズ主催の技術者向けイベント「Sun Tech Days 2007」が開催されている。

初日のGeneral Sessionは、JavaおよびSolarisに関連する新しい技術を用いたデモンストレーションからスタートした。壇上には6人の開発者が立ち、それぞれ5分ずつの時間が与えられて各々が持ち寄った成果物を発表した。各デモンストレーションの内容は以下の通り。

  • JavaFXのチュートリアルと、それを用いた様々なリッチアプリケーション
  • Solaris 10における、DTraceを用いたプログラム解析
  • jMakiを用いたMashupアプリケーション開発
  • SwingベースのFlickr用クライアントアプリケーション(デスクトップ版およびMobile Ajaxを利用したモバイルデバイス版)
  • JavaFXおよびSwingで作成したSunSPOTのテスト用アプリケーション
  • 2台のロボット(RT Media)をSunSPOTを利用してコラボレーションさせる

JavaFXは今年5月に行われたJavaOne 2007で発表されたばかりの新しいプロダクトだ。SunSPOTについても4月に米国で正式販売がスタートしたばかり。それにも関わらず、すでにこうして様々なアイデアで応用されている点が興味深い。

デモンストレーションの登壇者たち

デモンストレーションの登壇者たち

JavaFXで作成したAmazon用ショッピング・アプリケーション

DTraceを用いた解析

jMakiを使えば30秒足らずで開発できるというMashupアプリケーション

携帯電話で動くリッチなFlickr用クライアント

JavaFXで作ったSunSPOTのテスト用アプリケーション

SunSPOTを搭載してコラボレーションする2台のロボット

続いて、サン・マイクロシステムズ株式会社 代表取締役社長 末次朝彦氏が、Open Oppotunitiesというテーマに対するSunの立場や狙いについて語った。Sunの目標は、一言で言ってしまえば「ビジネスをよりオープンにしたい」ということだという。同社では、創業当時より一貫して「The Network Is The Computer」というスローガンを掲げてきた。これは、「あらゆるモノ、すべてのヒトがネットワークに参加できる」ことに他ならない。

サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 末次朝彦氏

末次氏によれば、現在では世界で15億人の人がネットワークに接続することができているという。しかしながら全世界の人口65億人からすれば、依然として4分の3以上の人がその恩恵を受けられていないということになる。Sunが最終的に目指すのは、技術をよりオープンにすることでこの"デジタル・デバイド"を解消することだ。

とはいえ、すべてのヒトがネットワークに接続するということは、新たな問題も発生させると同氏は指摘する。例えばPCを稼動させる電力などのエネルギーの問題、データセンター等の物理的スペースの問題、環境に与える影響などだ。その他、ユーザが利用しやすい優れたインタフェースや価値あるサービスの開発も必要である。「これらの問題を解決するためには、開発者・技術者からのイノベーションが不可欠だ」と末次氏は言う。

では、それら開発者のイノベーションを促進するためにSunができることは何か。それは開発者が参加しやすい環境を提供することだ。より良いツールの提供、オープンソース/オープンインタフェースへの貢献、業界標準のサポート、コミュニティ支援など、コミュニティの力を最大限引き出す環境を提供することでイノベーションの創出を促進するのがSunの目指す道とのことだ。

「コミュニティが新たな価値と革新を創出する。Sunはそのために最適な環境を提供することで、みんなで進化していければいいと考えている」(末次氏)