消費電力

いくつかの段階での消費電力も計測しているので、最後に、QX6850のものも含めてこれを紹介したい。グラフに示す結果はシステム全体の消費電力を「ワットチェッカー」で計測した数字で、「Idle」はシステム起動後の何も作業をしていない状態、「Load」はCINEBENCH R10実行中のピークとなっている。

Q6600について、オーバークロックするにつれて消費電力は比例して上がるし、動作周波数がQX6850に並べば消費電力も同等になるなど、極めて順当な結果である。ところで、今回のQ6600とQX6850はともに、前述したように従来のステッピングからFMBなどが引き下げられたG-0ステップのコアを搭載している。旧ステップの製品との直接比較は行っていないので明確には言えないが、基準とすべきQX6850の消費電力も、それまでの同クラスのクアッドコア・プロセッサよりは低消費電力と考えて問題ないだろうし、そこから全体の位置づけを類推すると良いだろう。

まとめ

65nmプロセス世代の製品としては最終に近いであろうG-0コアだからだろうか、現行製品の最上位である動作周波数3GHzを超えてからでもその動作マージンは流石だといえる。個体によってはQX6850を凌駕するパフォーマンスも簡単にだせることが確認できた。特に本稿における最終到達地点の動作周波数3.6GHz/FSB1600MHzという部分だけみれば、45nmプロセス世代の製品の動作周波数ターゲットがはっきりわからないうちは、もしかしてPenryn(開発コードネーム)が発売されてもしばらくは第一線で戦えるんじゃないだろうか、と期待させてくれるほどである。

Core 2 Quad Q6600の266ドルが絶対的な価格として安いかどうかは個人の考え方次第だが、そもそもベースとなる定格のパフォーマンスも非常に高いので、そのままでも十分に美味しい製品ではあると思う。ただ、ここはやはり、機会があれば是非(自己責任で!)"遊んでみて欲しい"プロセッサとして推薦したい。