多機能iTunes型オーディオプレーヤ「Amarok」

ポータブルオーディオプレーヤとしてはすでに一定の地位を占めるようになったiPodシリーズだが、その影響でオーディオプレーヤアプリケーションとしてiTunesを使うことが増えているようだ。Podcastとの連携、アルバムカバーや歌詞との連携、オンラインでの楽曲購入などiTunesの普及とともにこうした機能はオーディオアプリケーションが提供する当然のサービスといった雰囲気すらある。

iTunesは便利なアプリケーションだが、Windows版とMac OS X版がリリースされているだけでそれ以外のプラットフォームでは使えない。iPodシリーズを購入するにはOSとしてWindowsかMac OS Xを用意しなければならないわけだ。そこで、アルターネイティブアプリケーションとして「Amarok」を紹介したい。LinuxやFreeBSDで動作するiTunes型のオーディオアプリケーションだ。

KDE向けiTunes型多目的オーディオプレーヤ Amarok

LinuxやFreeBSDで動作するオーディオアプリケーションはいくつもあるが、現在でも開発が活発で多くの機能を備え、しかもiPodシリーズに対応しているiTunes型アプリケーションとなるとAmarokが第一候補として挙がってくる。若干パワーが必要になるアプリケーションなので遅いマシンを使っている場合には苦しいものがあるが、パワーに余裕があるならぜひお薦めしたいアプリケーションだ。

特に商用アプリケーションでは実現しにくいと思われるマッシュアップ機能が興味深い。iTunesと併用したいと考えている場合や、オーディオデータの管理アプリケーションとしてもお薦めできる。

初起動時にオーディオコレクションのディレクトリを指定

Amarokは最初の起動時にオーディオコレクションを保持するディレクトリを指定できる。すでにオーディオデータがあるならここで指定しておけばいい。

Amarokの最初の起動時には設定ウィザードが起動してくる

オーディオデータを保持しているディレクトリを指定する。起動後に指定してもいいし、後で変更することもできる

オーディオデータを保持しているディレクトリを指定したなら、起動してからコレクションデータの構築がはじまる。保持しているオーディオデータの量によってはだいぶ時間がかかるかもしれない。最初の一回はとりあえず構築が終わるまで待っておこう。

最初の起動後にコレクションデータの構築がはじまる(画面では進捗が6%)

コレクションデータの構築が終わるまではそのまま待っていよう(画面では進捗が85%)

関連情報でアーティストの情報をチェック

Amarokの基本的な画面は次のとおりだ。基本的に2分割画面で、左にコレクションやプレーリストツリー、ファイルシステムのデータなどの表示、右に実際に演奏しているプレーリストが表示される。興味深いのは左にある「関連情報」タブだ。演奏している楽曲の関連情報が表示される。

Amarok の基本的な画面 - 左にコレクションやプレーリストツリー、ファイルシステムのデータなどの表示、右に演奏中のプレーリスト

関連情報はさらに「音楽」「歌詞」「アーティスト」のタブに分類されていて、アーティストにはWikipediaから検索してきた情報が表示されるようになっている。

関連情報に演奏している曲に関する情報が表示される

デフォルトの設定では英語で情報をもってくるので、日本語の情報がほしい場合はロケールアイコンをクリックしてロケールを日本語に変更しよう。

関連情報のアーティスト欄にはWikipediaから検索してきた結果が表示されている

ロケールを変更すれば日本語のWikipedia情報が表示されるようになる

ちなみに2008年から2009年にかけてデスクトップやデスクトップアプリケーションもWebサービスとの連携が進むとみられているが、このようにWikipediaから情報を持ってくるというのは1つの例だ。