米PricewaterhouseCoopers(PwC)は、今後の世界のエンターテインメントおよびメディア(E&M)市場の成長を展望する最新調査レポート「Global Entertainment and Media Outlook 2007-2011」の発表を行った。

同レポートによれば、世界のE&M市場は、今後も年平均6.4%増の成長を続け、2011年にはUS2兆ドル規模を突破。現在、世界最大のE&M売上高を誇る米国が引き続きトップを維持し、2011年にはUS7,540億ドル規模のE&M市場を形成するとされている。とはいえ、今後最も勢いよくE&M市場が拡大していくのは、BRICsと呼ばれるブラジル・ロシア・インド・中国との予測も出されている。世界の平均成長率を大きく上回る年平均14.7%増の売上拡大を記録しており、2011年にはBRICsのE&M市場がUS2,515億ドル規模に達するとの見通しだ。

E&M市場の中で、目立った伸びを見せるとされるのはインターネットや携帯電話通信分野。2011年には世界のブロードバンド利用世帯数は5億4,000万を突破し、ブロードバンドの普及が今後のオンライン広告売上急増を牽引すると見られている。例えば、昨年の世界のオンライン広告売上高は前年比37.9%増を記録。今後の世界の広告市場全体の伸び率は年平均5.4%増となるのに対して、オンライン広告市場の伸び率は年平均18.3%増が見込まれており、2009年には米国のオンライン広告売上高が初めて新聞広告売上高を上回るのでは、との見通しだ。

2011年には34億人を超えると予測されている世界の携帯電話契約者数。音楽、ゲーム、TV視聴などを楽しめる携帯電話が世界的に普及することにより、E&M市場の拡大にいっそう弾みがつく。一例として、昨年はUS2,600万ドルであったアジア太平洋地域における携帯電話向けTV番組の配信に伴う売上は、2011年にはUS65億ドル、つまり5年で250倍にまで膨らむと見られているのだ。