The Mad4Milk teamは7日(米国時間)、MooToolsの最新版となる「MooTools v1.1」を公開した。MooToolsはJavaScriptで開発された軽量のAjaxライブラリ。1.1では1.0と比較して大幅な実行速度向上とブラウザ互換性の改善がなされている。

バージョン1.1における主な変更点は次のとおり。

  • 実行速度の向上 - すべてのソースコードを見直し、全般的に実行速度の向上が図られた。特にCSSセレクタに関する処理は大幅に向上
  • 互換性の向上 - 従来と比較してクロスブラウザ性が向上。すべてのサポートブラウザでXPATHが活用された
  • カスタムイベントの導入 - 独自のイベントを定義する新しいイベントAPIを導入(mouseenter、mouseleave、domreadyを追加)
  • Element機能 - コンストラクタ、メソッド、新しいフィルタ機能の追加
  • Perfecting Ajax機能 - リクエストのキャンセル、レスポンスに関する評価処理の拡張などを実現するために、Ajaxの基本機能の一部がAjax ClassモジュールからXHR Classモジュールへ変更された
  • Group Classの導入 - Classes/Elementsにおけるイベントをまとめたクラスを追加
  • Hash.Cookie Classの導入 - クッキーでJSONを使ってデータの操作を行えるようにした拡張Hash Classを追加
  • Advanced Garbage Collectionの追加

このほかにも新しいヘルパー関数、配列メソッド、文字列メソッド、数値メソッド、検出ブラウザ、Genericsなどが追加されている。

1.1では極力API互換性が保たれるように努力したとされているが、いくつかのAPIには互換性がない。非推奨となったAPIは次期バージョンである1.2までは残るが、それ以後は削除される見通し。APIの変更が伴う点は問題だが、実行速度の向上とブラウザ互換性の向上、各種の機能追加、バグ修正は注目に値する。MooToolsユーザは内容を調査のうえアップグレードを検討されたい。

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