ガートナー・ジャパンは26日、2006年の日本国内のPDA/ハンドヘルドPC市場でのベンダ出荷台数が2005年比115.2%増の52万6,000台になったと発表した。2002年から2005年までは4年連続で2桁のマイナス成長を記録し、冷え込んでいた市場だったが、2005年末にウィルコムのPHS端末としてシャープ製「W-ZERO3」が発売されたことをきっかけに、市場拡大に転じたという。

現在も、ウィルコムがW-ZERO3および同[es]で好調なほか、NTTドコモが法人ユーザー向けにBlackBerry(Research In Motion)を提供していたり、ソフトバンクモバイルで台湾のHTC製のスマートフォンX01HTを販売するなど、通信機能組み込みのPDA/スマートフォンの出荷台数が増加傾向にあるという。

一方で、通話機能を持たない従来型のPDA市場は引き続き縮小しており、法人向け市場が中心となっている。

同社の予測では、2007年の出荷台数は引き続きプラス成長を維持し、2006年比6.2%増の55万8,000台と見込まれる。また、今年後半に予定されているWindows Mobile 6.0搭載製品の発売を受け、参入ベンダー/製品ラインアップの拡大が予想されるという。

一方、法人向け市場に関しては爆発的な拡大は期待できないとしており、一部の先進企業や特定業務用途を除くと、試験導入が中心になると予測している。そのため、2007年の市場成長の牽引役は、個人ユーザーの裾野拡大と、すでにこうしたデバイスを使用しているハイエンドユーザーの買い換え需要が中心になると見ている。

日本PDA/ハンドヘルドPC市場 エンドユーザー別出荷台数および成長率推移
法人の成長率は低いままだが、2005年から2006年にかけて個人成長率が飛躍的に伸びていることがわかる。これもW-ZERO3のおかげ!?
出典:ガートナー データクエスト(2007年4月)