NVIDIAは、メインストリームユーザー向けGPU「GeForce 8600」シリーズおよび「GeForce 8500 GT」を発表した。DirectX 10に対応し、統合型シェーダーアーキテクチャのストリームプロセッサを搭載しつつ、普及価格帯に向けて展開するラインアップだ。ハイエンドのGeForce 8800シリーズと合わせて、DirectX 10対応製品をライバルに先駆けてより広い価格帯で展開することとなる。

GeForce 8600 GTS

今回発表されたGPUは、メインストリーム向けの「GeForce 8600 GTS」「同 GT」および「GeForce 8500 GT」。この他にOEM向け製品として、エントリー向けの「GeForce 8400 GS」「GeForce 8300 GS」も存在するとされる。なお、NVIDIAによる想定価格帯は、GeForce 8600 GTSが199~229ドル、8600 GTが149~159ドル、8500 GTが89~129ドル。

GeForce 8500 GT

GeForce 8600 GTS/GTのトランジスタ数は2億8,900万。32基のストリームプロセッサを搭載する。リファレンス製品でのコアクロックはGeForce 8600 GTSで675MHz、同GTで540MHz、シェーダーコアクロックは同GTSで1.45GHz、同GTで1.19GHz、メモリクロック(データレート)は同GTSが1GHz(2GHz)、同GTが700MHz(1.4GHz)とされている。メモリバス幅は、GeForce 8800 GTXが384bit、GeForce 8800 GTSが320bitであったのに対し、GeForce 8600シリーズはともに128bitと狭められている。なお、ディスプレイ出力は、デュアルリンクDVIがGeForce 8600で2系統、8500で1系統。HDCPにも対応する。

GeForce 8600 GTS GeForce 8600 GT GeForce 8500 GT
製造プロセス 80nm
コアクロック 675MHz 540MHz 450MHz
シェーダークロック 1.45GHz 1.19GHz 900MHz
ストリームプロセッサ 32 16
メモリタイプ GDDR3 N/A
メモリインタフェース 128bit
メモリ容量 256MB
メモリクロック 1GHz 700MHz 400MHz
データレート 2GHz 1.4GHz 800MHz
メモリ帯域幅 32GB/sec 22.4GB/sec 12.8GB/sec

VPがVP2へと進化、BSPを搭載したPureVideo HD

PureVideo HDでHDビデオ再生時の低CPU負荷を示すグラフ

また、GeForce 8600/8500シリーズでは、動画再生支援の「PureVideo HD」がさらに進化し、GPUチップ内のVideo Processorが進化しVP2となったほか、Bit Stream Processor(BSP)を搭載している。従来のPureVideo HDでは、H.264再生時などにビットストリーム処理、逆変換はCPU側で行い、動き補償とデブロッキングの処理はGPU側で行うことでCPU負荷を軽減したが、GeForce 8600/8500シリーズではビットストリーム処理、逆変換もGPU側で行うことで、CPU負荷をさらに軽減できるとする。なお、GeForce 8300に関してはVP2への対応は非公開。