さて、組み立ては完了。後は好みに応じてキャビネットの仕上げなどを行うと良いだろう。SX-WD5KTのキャビネットには、贅沢なヨーロピアンチェリーの無垢材が使用されている。丹念に仕上げると楽器のような音色を奏でるという。塗装を施すとまさに楽器のように仕上がるが、ペーパー仕上げのみで無垢材の良さを生かすのもまた良しだ。

組み立て完了。筆者(右)の作品とSX-WD5KTの商品化に携わった高田幸一氏(左)とその作品。高田氏の作品はペーパーでキャビネットを仕上げ、バイワイヤリング仕様に改造してある

さて、思い入れたっぷりに組み上げたスピーカーも、いきなり最良の音がでるわけではない。エージングといって自動車などの機械ものでいうところの「ならし運転」が必要だ。高田氏によると、目安として50時間程度鳴らすと全体がなじんでこなれた音がでるようになる、とのことだ。また、せっかくのウッドーコーンスピーカーの良さを引き出すには、スピーカーケーブルだけでも良質なものを使いたいところだ。同時に購入すればケーブルのエージングも行うことができる。

良い音で聴くにはスピーカーのレイアウトも重要だ。純正アクセサリーのスピーカースタンド「LS-M1」などを使用すると良いだろう。振動は音質に悪影響をおよぼすので、カラーボックスや強度の低い棚などへの設置は避けたい。レイアウトする際のポイントは、スピーカー後方、側方とも壁に近づけすぎないことだ。

純正スピーカースタンド「LS-M1」。スタンドで音が変わる

また、予算によるが、コンセントや電源タップ、アンプなどの電源ケーブル、RCAケーブルなど機器間の接続ケーブル、スピーカーケーブルなど、総合的に良品に交換するとさらに良いだろう。電源タップ、電源ケーブルなどはオーディオ用として組み立て済みで販売されているもの以外にバラ売りもされているので、これらの自作も可能だ。また、タップやコンセントは、オーディオ用以外でもホスピタルグレードのものが松下電工をはじめいくつか入手できる。これらを用いて安価に電源環境をグレードアップすることも可能だ。ただし、壁コンセントの交換作業は電気工事士の資格が必要なので注意されたい。興味をお持ちの方はオーディオショップなどで相談すると良いだろう。

Monitor LS-1002スピーカーケーブル(市場価格1mあたり4千円前後)にロジウムメッキのラグを取りつけたもの

ACROLINKのRCAケーブル 60cm×2(市場価格9千円前後)


CSE P-22。入門クラスの電源タップ(市場価格は1万3千円前後)

ACOUSTIC REVIVE CCR-DXオーディオ用コンセント(市場価格は1万円弱)とAssistance Design(型番不明)のコンセントカバー(市場価格は1万5千円前後)