ソニーは9月8日、ハイレゾ対応ウォークマンの新フラッグシップとして、「WM1」シリーズ2機種を国内発表した。発売は10月29日で、価格はオープン。推定市場価格は銅製の「NW-WM1Z」が300,000円前後、アルミ製の「NW-WM1A」が120,000円前後(いずれも税別)。

NW-WM1Z

NW-WM1A

WM1シリーズは、ソニーの高音質技術を集結したフラッグシップシリーズ「Signature Series (シグネチャーシリーズ)」製品群のひとつ。ベルリン時間の9月1日に、「IFA2016」にて海外発表されたが、このたび国内での発売概要が明らかになった。

2機種の主な違いは、きょう体の素材と内蔵メモリ。

NW-WM1Zのシャーシは、純度99.96%以上の無酸素銅を削り出したもので、表面は金メッキ加工。無酸素銅には抵抗値を大幅に低減する効果が、金メッキには接触抵抗低減と酸化防止の効果があるという。内蔵メモリは256GBで、microSDカードスロットを1基搭載している。

一方のNW-WM1Aは、アルミ削り出しのシャーシを採用。128GBのメモリを内蔵し、NW-WM1Zと同じくmicroSDカードスロットを1基装備する。

上がNW-WM1A、下がNW-WM1Zのシャーシ。NW-WM1Aはアルミ、NW-WM1Zは無酸素銅をそれぞれ塊から削り出している

WM1シリーズの開発に合わせ、フルデジタルアンプ「S-Master HX」を刷新。PCM 382kHz/32bitに対応したほか、DSD 11.2MHzのネイティブ再生が可能になった。出力は60+60mW(16Ω)で、従来のフラッグシップ機「NW-ZX2」から4倍向上している。

バランス接続に対応し、JEITAが2016年3月に規格化した4.4mm径バランス端子を搭載。バランス接続時は、250+250mW(16Ω)の高出力に対応する。3.5mmのアンバランス端子も備える。

NW-WM1Zの側面。NW-WM1Aとデザインはほぼ共通

圧縮音源の補完技術「DSEE HX」も新しくなり、曲の種類に適した音質補正を行えるようになった。音質補正のタイプは、スタンダード、女性ボーカル、男性ボーカル、パーカッション、ストリングスの5種類から選択可能。10バンドイコライザーも搭載し、細かい音の調整に対応する。さらに、DCフェーズリニアライザーにより、アナログアンプに近い十分な低音を実現する。

基板は、ノイズ低減のためレイアウトを最適化。アンプブロックと電源+デジタルブロックを分離、アナログイン/アウトを廃止し、出力はデジタルのみとした。また、新開発の100MHz対応低位相ノイズ水晶発振器を44.1kHz系と48kHz系の2基装備する。

NW-WM1Zの基板

NW-WM1Aの基板

共通のパーツ。電池パックも新開発のものを搭載している

きょう体の素材と内蔵メモリ以外では、2機種で抵抗の種類やアンプからヘッドホン端子への線材が異なる。線材は、NW-WM1ZがKINBER KABLE、NW-WM1Aが無酸素銅ケーブルを採用

ディスプレイには4.0型のタッチパネルを搭載。さらに、独自OSを採用することで、音楽再生専用機としての使い勝手を追求している。UIも刷新し、プレイ画面を中心とした上下左右のフリックで、曲の選択や音質調整の画面にアクセスできる。また、どの画面からも「プレイ画面」「ライブラリ」にジャンプできるショートカットボタンを備えている。

共通の仕様として、フォーマットはMP3 / WMA / FLAC / AAC / HE-ACC / Apple Lossless / AIFF / DSD / ATRAC / ATRAC Advanced Losslessなどに対応。Bluetoothのバージョンは4.0で、コーデックはSBCとソニー独自のLDACをサポート。NFC機能も搭載する。内蔵バッテリーは約7時間でフル充電され、約30時間の連続再生が可能だ(FLAC 96kHz/24bit再生時)。

サイズと重量は、NW-WM1ZがW65.3×H123×D19.9mm/455g、NW-WM1AがW53.8×H119.5×D14.8mm/267g。

なお、従来の最上位ウォークマン「NW-ZX2」は、2016年夏で販売を完了する。

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同時に、WM1シリーズに対応するアクセサリ3種類も発売。価格はいずれもオープンで、推定市場価格は、レザーケース「CKL-NWWM1」が10,000円前後、液晶保護シート「PRF-NWH40A」が1,200円前後、コントローラー「RMT-NWS20」が5,000円前後(いずれも税別)。

CKL-NWWM1

RMT-NWS20